今季の開幕投手候補の菅野に、百戦錬磨の左腕2人が「待った」をかけた。巨人内海哲也投手(32)と杉内俊哉投手(34)が宮崎での合同自主トレ2日目となる29日、同時に今季初のブルペン入りを果たした。

 その瞬間、空気が一気に変わった。両者とも立ち投げを続け、杉内が31球目となると、捕手に座ってもらう。ブルペン入り初日から豪快に腕を振り始めた。すると、横目で見ていた内海も負けじとギアを上げた。スピンの利いた、力強い直球と変化球で、仕上がりの良さを見せつけた。「ちょっと力みました。すごいボールを投げていた。キャンプが始まると痛感した」とライバル意識をむき出しにすれば、杉内も「そりゃ、意識しますよ」と早くもバチバチムードだった。

 「新成」をスローガンに掲げる15年シーズンの開幕投手は、昨季に続き菅野が最有力とみられる。だが通算100勝以上のベテラン2人が、黙っているはずがない。内海が「目指すところは、そこ」と3月27日DeNA戦(東京ドーム)を見据えれば、杉内も「頑張ります」と開幕へ1歩も引かない。言葉の意味がブルペンで、もろに表れていた。キャンプが始まる前から、宮崎のブルペンで強烈な火花が飛び散った。【細江純平】