日本ハムのドラフト6位、立田将太投手(18=大和広陵)が29日、食のトラウマを乗り越えて新人合同自主トレを完走した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で約3週間、順調に練習メニューを消化。「キャンプに向けて、いい形で入れそうです」と笑顔も、舞台裏では人知れず葛藤していた。

 苦手な食べ物がある。昼食時のメニューの1つ、そばだ。両親がともに、そばアレルギー。「特に母が、ひどい。ゆで汁もダメです」。母智美さん(46)は数日間、寝込んでしまうほど重度。苦しむ姿を見ていたからこそ、自身も手を付けたことがなかった。

 実は医学的には食べられる事が証明されている。昨年11月に受診したメディカルチェックの血液検査で、そばアレルギーの反応は出なかったが「まだ、体が怖がっています」。プロ初キャンプ前の大事な時期。冒険は犯さなかった。もう1つのメニュー「うどん」1本で昼食は通した。

 そばと一緒にゆでられていたが、問題はなかった。「トッピングも、いろいろあったので」。バラエティーに富んだ具材で新鮮味も保った。最終日も、うどんを食べ合同自主トレを無事に打ち上げた。「いい練習が出来ました」と、不安に打ち勝って最初の関門を突破した。【木下大輔】