ソフトバンク工藤公康監督(51)がキャンプ地を訪問する子どものために、マル秘プレゼントを計画していることが4日、分かった。自身の写真入りカードで、背番号にちなみ、8100枚を準備。すべてに直筆サインを入れるという。ファンサービスを重要視する指揮官が、多忙の合間を縫ってペンを走らせる。

 工藤監督はファンとの交流を思案していた。キャンプ地の施設内を移動する際、大勢のファンから声をかけられ、サインを求められる。そのたびに「ごめんね~。ちょっと今はできないんだ」と謝っていた。第1クールからメーン球場やブルペン、サブグラウンドなどを隅々までチェック。スケジュールはタイトで、立ち止まってファンに応じる時間がない。「何て言えばいいんだろうね」と困った顔でつぶやくこともあった。ファンサービスを重要視するだけに、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 そこで計画されたのが、マル秘プレゼントだ。自身の写真入りカードを背番号「81」にちなんで、8100枚用意した。これに直筆サインを入れるという。「その場でサインできない代わりに、自らの手でカードを渡したいようです」と球団関係者は言う。基本的にはキャンプ地で子どもを中心に配布する予定だ。完成次第、ファンの手に届くことになる。

 工藤監督は今年のスローガンに「熱男(アツオ)」を選んだ。これはファンに熱いプレーを届けたい気持ちの表れだ。99年オフ、ダイエーから巨人にFA移籍する時には、残留を願う約15万人から署名をもらった。後日談として、数年かけて全員に直筆であて名を書き、御礼のはがきを送った。プロ球界に身を置くからこそ、ファンに夢を与える存在で居続ける必要がある。今回、8100枚という相当な数を用意し、ファンの期待に応えようと熱くペンを走らせる。