成長を凝縮させた34球だった。昨季の新人王、広島大瀬良大地投手(23)が7日、宮崎・日南キャンプでフリー打撃に登板。堂林のバットをへし折るなど、力のある直球を投げ込んだ。34球を投じ安打性の当たりは4本。釣果がなかった前日6日オフの釣りから一転、収穫「大漁」のマウンドとなった。2年目のジンクスなど無縁だ。
釣りざおを垂らすこと約30分、一向に反応はない。大瀬良はオフだった前日6日、宮崎・日南市の堤防にいた。さおはリールとセットで5000円で購入した。幼いころに父の実家でして以来の釣りは「まったく釣れなかったので、帰りました。楽しめたのでよかった」。収穫はとっておいたのだ。初めてのフリー打撃登板は“大漁”だった。
「真っすぐで差し込めたのでよかったです。初めて打者と対戦でしたが、ボールの感覚としてはよかったです。強振の打球も思ったより少なかった」
衝撃音が走った。先頭堂林への初球。ゆっくり振りかぶってから投じた直球で、バットをへし折った。34球を投じ、安打性の当たりは4本。力で押し込み、逆方向への力ないファウルが多かった。悪癖だった体の開きは抑えられ、リリースも一定。精神的な余裕が生まれ、確かめながら投げることができた。
オフの成果が少しずつ、出始めている。プロとして初めてのオフは、エース前田とともに自主トレを行った。股関節の使い方や骨盤の動かし方を確認。下半身が安定し粘りが出た。力は抑えめでも、威力のあるボールを投じられるようになった。「効果的に出てきていると思います。やらせてもらって、よかった。感謝しています」とにっこり笑った。「ボーズ」だった釣果のことは、当然、忘れていた。
今後はシート打撃に登板し、ペースアップしていく。「セットになったときに体が開く傾向にあるので。あとは変化球の精度も上げていきたい」。多すぎる収穫にも、課題を忘れないのが大瀬良らしい。前田、黒田に次ぐ3本目の柱へ。この男には2年目のジンクスなど、壁にもならないはずだ。【池本泰尚】



