オリックスから阪神にトレード移籍した桑原謙太朗投手(29)が9日、シート打撃に初登板し、好投でアピールした。今成ら打者6人に対し、許した安打は上本の右前打1本。直球の最速は、この日登板した6人中最速の144キロをマークした。直球の最速は150キロを誇るが「144キロはこの時期としてはまずまずです。初めての実戦形式でまずまずの結果を出せて良かったです」。横浜(現DeNA)-オリックスを経験したプロ8年生にとって、名刺代わりの投球だった。

 打者を封じ込める球の勢いを見せたかった。「腕を思いきり振っていく。それをテーマに投げました」。気持ちが、結果にも球速にも表れた。

 昨年11月に白仁田との交換トレードで阪神入りが決定。アマ時代を通じて1度も投げたことがなかった甲子園に思いをはせ「優勝するときに自分もそこにいられるように頑張りたい」と誓った。1月12日には鳴尾浜、同27日には沖縄・宜野座でいずれもブルペンに一番乗りし、早めの準備を心がけてきた。和田監督は「本番の投球が課題の1つだったけど、ブルペンでやってきたことがそのまま出来ていたね。変化球のキレもよかった」と評価。必勝セットアッパーへ、大事な1歩を踏み出した。【堀まどか】

 ◆桑原謙太朗(くわはら・けんたろう)1985年(昭60)10月29日、三重県生まれ。津田学園-奈良産大を経て、07年大学・社会人ドラフト3巡目で横浜入団。10年オフにオリックスへトレードで移籍。昨オフ白仁田との交換トレードで阪神入り。通算81試合、4勝8敗2ホールド、防御率4・18。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。