中日ドラフト1位野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)が日刊スポーツのインタビューに応じ「ありのまま」宣言した。ここまで調整遅れが指摘されてきたが「背伸び」していたキャンプ序盤を反省。これからは自分を見失わずに本領を発揮していく決意を示した。今日10日からの第3クール中に、新人では最後になるフリー打撃登板を予定している。
-初めてのキャンプは第2クールが終了
野村
まだ投球で思うようにいっていない。まだまだです。このくらいの時期なら、制球とか変化球とか、思うように投球できているはずだった。焦っているわけではないですが、しっかり持ち味を出せるようにしていきます。
-真横で先輩たちがすごい球を投げている
野村
緊張するし、自然と体に力が入ってしまう。力が入るとフォームが崩れる。周りを気にしないようにはなかなかできません。テレビで見ていたすごい人たちが投げているので。負けたくない気持ちはあるけど、今までは悪い意味で前に出てしまっていた。
-分かっていながら、制御できなかった。
野村
そうですね。気持ちが前に出すぎた状態で投げていた。でも、慣れてきました。自分の中での落ち着きは出てきました。
-投球の面で特に言われていることは
野村
特にないです。「焦るなよ」とは言われますが、焦りすぎず、ゆっくり過ぎずという感じで。フォームのことを言われてもないです。悪いところが出たら指摘をされますが。
-逆に、やっていけそうな感触もあるのでは
野村
実戦をやっていないので分かりません。これから投げさせてもらえる機会はあると思うし、そこで初めて分かることがあると思う。それまでできることをしっかりやります。
-毎日、左足にアイシングをしている。調整に影響があるのでは
野村
ありません。痛みもない。自主トレ中に痛みが出たので、そうならないようにケアしています。自主トレ中よりもランニングが増えていますから。
-先輩や周囲の人たちと交わって、いい経験になっているのでは
野村
いろいろと教えていただいています。あいさつの仕方、新人がやる仕事…。僕は社会人で3年間、ずっと下っ端だったので、新人の仕事は何とか頑張りながらやっている感じです。社会人の方が練習の準備や片付けは大変でした。
-体は疲れてきているはず。「寝る」以外でリラックス方法は
野村
寝る以外…(笑い)。あまりないです。部屋でシャワーを浴びたらベッドにダイビング。寝っ転がってテレビを見たり。同部屋が(同学年の)西川なので気疲れもなく、気楽にやらせてもらっています。彼はプロで3年やっているので「練習に何を持っていけばいい?」とか教えてもらえて助かっています。
-睡眠はばっちり
野村
(午後)11時くらいには寝て7時に起床。少し物足りない…。練習で疲れているので、もっとゆっくりしたいとは思います。
-家族や友人と連絡をとっているのか
野村
あまりないですね。前の休日にイルカと遊んだときは報道を見た友だちから「何やってんだ」と連絡ありましたけど(笑い)。報道していただいているので、親も今の状況は分かっていると思います。
-試合登板は早くて21日のロッテ戦(北谷)ともいわれているが
野村
僕は何も言われていません。とにかく、試合に向けてしっかり自分の形を作りたい。自分の持ち味を前面に出せるように、やっていきたいです。【取材・構成=柏原誠】
◆野村亮介(のむら・りょうすけ)1993年(平5)7月9日、静岡市生まれ。静清(静岡)で3年春の甲子園に出場。三菱日立パワーシステムズ横浜では1年目から登板。昨年の都市対抗出場に導いた。ドラフト後の21Uワールド杯(台湾)では日本代表の抑えとして活躍した。最速149キロ。父、母、兄2人。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。
◆野村の今キャンプ
初日のブルペンで55球、フォークも解禁。2日目は谷繁兼任監督を相手に投げ、球筋の良さを評価されるなど順調にスタート。第2クールではスライダーも投げ始めたが、フォームのバランスを崩しており、予定していたフリー打撃登板を自ら回避した。投手陣の中では仕上がりが遅れ気味。練習メニューは通常の量をこなしている。