オリックス金子千尋投手(31)が17日、ブルペン投球を解禁した。昨年11月29日の内視鏡による右肘骨棘(こっきょく)除去手術後初めてとなるブルペンでの投球練習を行った。立ち投げでの23球から、最後は捕手を座らせて5球。ブルペンに駆け付けた森脇監督も、復活を証明する28球を「二重に末広がりだね」と喜んだ。沢村賞右腕が、3年連続の開幕投手へ、いよいよ本格調整モードに突入だ。
宮崎キャンプ第4クールの締めくくりは、エースのブルペン入りだった。金子がキャッチボール後、吉良コンディショニング担当を伴い、ブルペンに向かった。駆け付けた森脇監督、高山投手コーチらがすでにスタンバイ。首脳陣に復活を確信させる独壇場のスタートだ。
杉本アシスタントスタッフを捕手役に立ってもらった状態で、ノーワインドアップ、ワインドアップ、セットポジションと投げ方を変え、23球。最後は同スタッフを座らせて5球。直球だけでなく、カーブ、シンカー、チェンジアップなど変化球も交え、投球練習をフィニッシュ。受けた杉本スタッフが舌を巻いた。「手術をしたとは思えない。開幕に合わせてやっているのだろうし、今の感じなら十分間に合うのではないですか」。手術前と変わらない投球を証言した。
ブルペン入りが決まったのは前日16日。金子が「傾斜のある場所で投げて右肘の状態を確認したい」と、高山投手コーチらに申し出た。FA権行使で去就が注目される中で手術に踏み切り、昨年12月にキャッチボールを再開。年明けは米国アリゾナ州のリハビリ施設で自主トレを行い、体全体の強化に努めてきた。この日のブルペン入りは、シーズンへの重要な確認作業。投球動作を追ったカメラのシャッター音に金子が過敏になり、ブルペンは厳戒ムードにもなったが、術後の良好さは28球が実証した。
「28球か…。二重に末広がりだね」と笑った森脇監督は「すべてひっくるめて順調。チームにとって明るい材料です」とうなずいた。このまま順調に練習を続けていけば、沢村賞右腕が15年シーズン開幕を告げる。【堀まどか】
◆金子の波瀾(はらん)万丈なオフ
昨年10月22日に渡米しワールドシリーズ第3戦を観戦。「憧れの場所でやってみたい気持ちは変わらず持っています」と、大リーグへの関心をうかがわせた。帰国後、申請期限の11月11日に国内FA権行使を表明。当初は「すべての可能性を考えたい」としてポスティングシステムとの併用を視野に入れたが、球団との交渉過程でポスティングを要望せず、メジャー挑戦を断念。同29日に内視鏡による右肘骨棘(こっきょく)除去手術を受けた。国内他球団による争奪戦は中日、阪神などのオファーを断り残留を決意。12月24日に4年総額20億円プラス出来高(推定)で契約した。



