<練習試合:楽天1-1阪神>◇17日◇沖縄・宜野座

 岩ちゃん今年こそ!

 阪神岩本輝投手(22)が先発し、3回1安打無失点と好投、先発5番手の有力候補に名乗り出た。2年間、勝ち星がなく新たなシーズンにかける思いは強い。広島大瀬良に奪われた「津田2世」の称号を取り戻し、今季こそ、開幕ローテーション入りだ!

 楽天打線を完璧と言えるほどに抑えた岩本は少しだけ高揚していた。3回1安打無失点。自己最速タイの144キロは課題の球威不足を克服しつつあることを証明した。球威アップの理由を聞かれ、一瞬、間を置き、岩本は話した。

 「気持ちで逃げないことです!」

 それが今、一番、言いたいことだ。前回、11日の日本ハム戦では陽岱鋼に被弾。それを反省し、この日はこん身の気合を込めた。

 岩本が尊敬し、目指すのは、母校・南陽工の先輩で広島で「炎のストッパー」と言われた津田恒実さんだ。阪神入団時は「津田2世」と期待された。2年目の12年シーズンに2勝。だがこの2年間は勝てず、昨季は広島で津田さんと同じ背番号14を背負う大瀬良にその称号を奪われた。大物ルーキーに、実績も注目度も負けた形だ。

 だが昨秋の安芸キャンプで臨時コーチを務めた広島OBの大野豊氏(野球解説者)は再確認した。「背番号でいけば大瀬良が2世だけど、岩本は後輩。津田2世を目指せ」。もちろん、本人にも「オレだって」という気持ちがある。

 このオフ、抑えの呉昇桓とグアムで自主トレを行い、軸足で強く蹴ることなどをアドバイスされた。何とか生まれ変わろうとしている今季は、先発5番手の可能性もあるのだ。

 「毎年狙っているけど、今までうまくいっていない。今年はしっかり狙っていきたい」。5年目の今季、これまで以上に燃えに燃えている。そんな思いが投球に乗り移った。

 1回はキレのいい真っすぐで、まるで二塁西岡へのノックのように打者3人を右方向へ打たせた。3番銀次には144キロを計測。2回は2死を取った後、新加入ウィーラーをフォークで空振り三振。3回も2死から安打を許したが梅野が二盗を差し、3回を9人で抑えた。

 「取り組んでいることはできたけど課題は残ります。そこを向上させていけば(5番手に)入れると思う」。真っすぐ、フォークは光ったが、得意のスローカーブがストライクゾーンに決まらなかった点を反省した。

 「弱気は最大の敵」は、ともすれば弱気になりそうな自分を励ますために津田さんが自分を叱咤(しった)激励した言葉だ。その意味をかみしめ、岩本が先発スタッフ入りへ汗を流す。【編集委員・高原寿夫】

 ◆岩本輝(いわもと・あきら)1992年(平4)10月21日、山口県生まれ。南陽工で2度甲子園出場。10年ドラフト4位で阪神入団。2年目の12年9月9日中日戦、同27日ヤクルト戦でプロ初登板から2戦2勝をマーク。182センチ、84キロ。右投げ左打ち。