ヤクルト館山昌平投手(30)が、4年総額10億円規模の長期契約を結ぶことが9日、内定した。今季で3年契約が満了。順当なら来季国内FA権、13年シーズンで海外FA権を取得するが、34歳まではヤクルト残留が決定。来季以降の年俸は7000万円増の1億9000万円プラス出来高払い(金額は推定)。2年目終了時には契約を見直す条項があり、各年の出来高など含めれば総額10億円近くになりそうだ。

 4年契約は、投手としては石川に並び、球団史上最長タイの契約になった。野手では元監督の古田敦也氏、宮本が5年契約を結んだことがある。大木球団常務は「FAをにらんでのところもある。4年間はいてもらえるということで心強い。わがチームの特殊なやり方として、柱になる選手にはこういう話をしている。4年間はどうしても必要という訴えが、彼に通じた」と喜んだ。今季は右手血行障害に苦しみながらチームトップの11勝(5敗)を挙げた。CSでは先発、リリーフとして大車輪の活躍。11月11日には手術を行い、来季開幕に間に合うかは微妙だが、球団側の評価は揺るぎなかった。

 今季まで4年連続で2ケタ勝利を挙げている。来季FA宣言すれば、各球団の争奪戦になることは必至だった。4年間は、大リーグ挑戦も封印。20日に都内の球団事務所で正式契約を交わす。この日、球団納会に出席した館山は「しっかりとリハビリして、20日に(ペンを握って)サインできるようにしたい」と回復に励む考えだ。【前田祐輔】