<中日4-3阪神>◇28日◇ナゴヤドーム

 阪神桧山進次郎外野手(44)はこみ上げてくる衝動を必死に堪えてボールを見極めた。8回、1点差に迫って、なお、無死満塁の場面で代打の神様が登場した。1球目、2球目とも速球をファウルして追い込まれた。だが、ここからが神様たるゆえんだ。変化球を冷静に見極めて、フルカウント。最後は中日武藤が根負けした。押し出し。代打通算110打点目は、いぶし銀の同点四球だった。

 「最初の2球でしとめないといけなかった。ただ、最低限の仕事はできたかな。ずっと結果が出ていなかったから、打って決めたくなるんだけど、同じ1点は1点だし」

 ここ7打席、無安打が続いていた。好機であれば、あるほど、自らのバットで決めたくなるのが打者心理だが、自分を抑えて、ボール球には手を出さなかった。22年間の経験を感じさせる職人芸だった。