<神宮大会:明大2-0愛知学院大>◇最終日◇27日◇大学の部決勝◇神宮
明大(東京6大学)が愛知学院大(北陸・東海3連盟)を下し、15年ぶりの優勝を果たした。5度目の制覇は、大会単独最多。広島からドラフト1位指名のエース野村祐輔投手(4年=広陵)が4安打5奪三振で完封。打者27人で仕留める圧巻の投球を見せ、学生最後の登板で念願の日本一となった。
4年間、思い描いていた瞬間だった。最後の打者を130キロのチェンジアップで二ゴロに打ち取ると、野村は力強く両手を広げほえた。駆け寄るナインによって、177センチのエースは歓喜の中心へと吸い込まれた。初めての日本一に「喜んで終われる。高校のときは情けない気持ちで終わった。8回からスイッチを入れた」。8回に逆転満塁弾を浴びた、07年夏の甲子園決勝の悪夢を振り払った。
わずか91球、無四球の完封。今春リーグ戦の東大1回戦に次ぐ2度目の27人斬りだ。最大のピンチは7回1死三塁。初球スクイズは低めの直球で外した。相手がバットに2回当てファウル。3球目に再度仕掛けられるとワンバウンドのスライダーで外した。「来る予感がしていた」と投手としての勘の鋭さを見せた。
フィールディングも絶妙だった。1回無死一塁からは投ゴロ併殺、5回無死一塁は素早いけん制で走者を刺した。本来は左利きという、天性のボディーバランスの良さがある。今でも箸を持つ手は左。2歳のころ、祖父が買っていたグラブが右用だったことから、自然と右投げになった。スタンドで見守った広島苑田スカウト部長は「左利きに見えないね。昔、根本(陸夫)監督が衣笠(祥雄)に全部左でやれって。箸もスイングも投げるのもね。バランスを考えてのことでした」と回顧し、うなった。
右手の握力は45キロと成人一般男性並みだ。それでも9回にこの日最速の146キロを計測。課題の2日連投もこなした。大会前、善波達也監督(49)に80球投げ込み、インステップしていたフォームを改善。今秋リーグ戦で苦しんだ制球も、元に戻った。真骨頂の投球で今大会16イニング無失点。学生最後の試合に「うれしい気持ちもあるし、寂しい気持ちもあった。リセットして今後に臨む」と日本一の称号を手に、プロへ飛び込む。【清水智彦】



