<仙台6大学野球:東北学院大10-0宮城教育大>◇第4節初日◇18日◇東北福祉大球場

 「仙6」からプロ入りを目指す2人の「阿部」が猛アピールした。この日プロ志望届を提出した東北学院大の阿部博文投手(4年=宮城・利府)は6回、1安打投球で通算33勝目を挙げ、リーグ歴代最多勝に並んだ。

 偉大な記録に肩を並べた東北学院大・阿部は、力みのない投球フォームがいい。宮城教育大戦に先発し、4回まで完全試合ペース。ゆっくりと足を上げる独特の間合いから、最速144キロの速球を低めに集める。5回無死、高めに浮いたスライダーを左前に痛打され、人生初の無安打無得点は夢に終わったが、通算33勝目で歴代最多に並んだ。横浜武居スカウトは「力が抜けていて腕の振りがいい。楽しみ」と期待を寄せる。

 今季前から、以前にも増してストレッチを入念に行っている。腕やひじだけではなく、腰や下半身のケアにも時間をかける。力を抜くフォームへの改造と相まって、体への負担が減った。入学以来、2週続けて好調を維持したことはなかったが「今はずっと調子がいい」。すべてを懸けるシーズンは順調に進んでいる。

 この日、プロ志望届を提出。「もっと成長できると思うし上に行きたい」と意識は高い。「仙6」の歴史を変えた「岸2世」はさらなる高みを目指す。