日本ハムがドラフト1位で指名した早大・斎藤佑樹投手(22=早実)が6日、都内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円で仮契約した。背番号は18。斎藤は「与えられたポジションで開幕1軍を目指したい」と意気込んだ。9日には札幌ドームのスタンドが無料開放され、単独での入団会見が行われる。ミニトークライブや、ユニホーム姿の初お披露目などアイドル顔負けの?

 セレモニーが予定されている。(金額は推定)

 本拠地・札幌ドームに「ピッチャー、斎藤佑樹」のアナウンスが響く。三塁側ダッグアウトから、真新しいユニホームに袖を通した背番号18が飛びだし、詰めかけたファンの前で札幌ドームのマウンドに立つ-。あさって9日、スタンドを無料開放して行われる入団会見&入団セレモニーでは、超大物ルーキーの門出にふさわしい、華やかな演出が準備されている。

 グラウンドの三塁ベース付近に特設ステージが設けられる。会見には梨田監督と4球団競合の中で交渉権を引き当てた藤井社長が同席。ドラフト会議の進行を務めたフリーアナウンサーの関野浩之氏が司会を務め、ミニトークライブもある。開放されるスタンドは三塁側スタンドだが、入場者数に応じて開放エリアは広げられ、最大4万2000人まで収容可能だ。斎藤は「(入団会見を)1人でやるのは寂しいけど、楽しみにしています。人が来てくれるのかな…」。平日の午後3時から開催とあって、ちょっと不安そうな顔も見せたが、超大物ルーキーの一挙手一投足にスタンドは沸くに違いない。

 この日は球団側と初交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円の最高条件で仮契約を終えた。金額のケタの数に圧倒され「思わずゼロの数を数えてしまった」と照れ笑いを浮かべたが、「契約書というものも初めて見たので、社会人になるんだなあという実感が湧いてきます」。背番号18については「他球団でもエースナンバーと言われる番号。付けさせてもらう以上、そういう成績を収めたい」。学生服姿の斎藤は改めて気を引き締めた。

 大金の使い道を聞かれた際も“優等生”の斎藤らしかった。早実3年の06年夏に甲子園で優勝。東京6大学では通算30勝、300奪三振を達成した。アマチュア野球の経験があるから今がある。「アマ野球でお世話になってきたし、恩返しできたらいいです。早稲田だけということじゃなく、アマ野球界全体に何かできたらいい」と、胸に秘めているプランの一端を明らかにした。

 「先発でも中継ぎでも抑えでも、与えられたポジションで開幕1軍を目指したい。チームから信頼されるピッチャーになれたらと思います」。そう意気込んだプロとしてのスタートはあさって9日。異例の会見とセレモニーで、斎藤からどんなマイクパフォーマンスが飛びだすのか?

 はたまたマウンドからプロ初球を投じるのか?

 「持っている男」のプロ第1章が、いよいよ幕を開ける。【本間翼】