新人王へイチ、ニ、サンだ~!
阪神は6日、大阪市内のリッツカールトン大阪で新入団選手発表を行った。ドラフト2位の一二三慎太投手(18=東海大相模)の背番号は珍名を掛け合わせて?
「36」に決定。目標はでっかく新人王。甲子園を湧かせた右腕がスターダムを駆け上がる。
計算ずくで新人王獲る!
背番号「36」のタテジマを身にまとった一二三の端正な顔が一瞬緩んだ。
「12×3で36?
自分ではそうなのかなと思ってたんですけど、誰にも何も言われなくて…」
球団関係者は「そんなことない。空いてる番号を選んだだけです」と、名前の語呂合わせを否定した。だが一二三本人だけは、ひそかに背番号に込められた意味に思いをはせていた。
「一二三」は父義則さん(54)の実家がある熊本県八代郡を中心にわずかに存在する珍名だ。名前を掛け合わせた?
背番号は球団の期待の表れと受け止めた。
「背番号36よりもユニホームを着られたこと自体が光栄です。36は一二三だって言われるくらいの結果を残したいです」
タテジマに袖を通すとすぐに、でっかい目標のイメージがふくらんできた。
「新人王に向かって頑張るだけです。新人王は高い壁なので決してなれるとは思っていないです。でも努力次第で変わってくると思います」
簡単な計算式では割り出せない困難な道でも、真っすぐに突き進む。対戦したい選手に、東海大相模の2学年先輩である巨人大田を挙げた。あこがれの先輩が達成できなかった目標をやってのけたのが自信の根拠だ。
「大田さんは有言実行のキャプテンで、とても尊敬できる先輩。ただ大田さんは甲子園に行けなかったけれど、自分は甲子園に行くという夢をかなえたという自信はあります。1年の時に紅白戦で勝負した時は、3打席で2三振だったと思います。プロでも勝負したいです」
今年の春と夏、甲子園に出場。夏は興南・島袋と投げ合い、準V腕になった。夢をかなえた自信が、堂々の新人王宣言につながった。大田先輩とはプロの世界でぶつかる間柄になった。舞台は当然、全国の野球ファンが注目するTG戦だ。
身近にお手本がいるのも心強い。目標は同じ高卒ルーキーながら今季終盤に4勝した秋山だ。
「ずっとテレビで見ていて、感情をむき出しに投げていて結果も出していたので。1歩でも近づけるようになりたいです」
計算されたナンバーを背負い、一二三がプロの第1歩を踏み出した。