森野の後継者になれ!

 中日ドラフト1位指名の東海大甲府・高橋周平内野手(17)が25日、神奈川・横浜市内のホテルで契約金1億円、年俸1200万円で仮契約を結んだ。背番号は「31」に決定。森野2世と騒がれた大砲が、かつて本家が背負った番号を背にプロの世界へ飛び込む。(金額は推定)

 笑顔だった表情は背番号の話題になると一変した。期待の黄金ルーキー高橋に与えられた背番号は「31」。もちろん、森野を意識した番号であることは明らかだ。球団から送られた強烈なメッセージ。高校通算71本塁打の大砲は、緊張した表情で感想を語った。

 「森野選手がつけていた番号だということは知っています。すごいことだと思う。目標の選手がつけていた背番号なので」

 「31」は、森野が06年から09年までつけていた“出世番号”だ。森野はその3年間でスタメンに定着し、球界を代表する中距離ヒッターとなった。08年には北京五輪に日本代表として出場。その時も「31」を背負っている。

 同じ神奈川出身で右投げ左打ちの内野手。東海大甲府の村中監督はかつて森野を指導していた。森野と高橋は、いわば“兄弟弟子”。中距離打者とスラッガーというタイプこそ違うが、共通点が多い。「森野2世」として注目を浴び続けてきた男に与えられた「31」は、後継者としての期待の表れだった。

 「期待されているということは分かるし、初めてもらった番号なので変えたくない。中日の31番といえば、高橋と言ってもらえるようになりたい」

 日本シリーズはテレビで食い入るように観戦したという。「あそこに立てるのは2チームしかない。自分もあの場に立てるような選手になりたい」。大きな期待は感じる。並の高校生ならプレッシャーに押しつぶされるところだが、高橋は違う。与えられた番号を自分のカラーに染めるつもりだ。【桝井聡】

 ◆高橋周平(たかはし・しゅうへい)1994年(平6)1月18日、神奈川・藤沢市生まれ。小1で投手として野球を始める。中2夏に「湘南クラブボーイズ」の4番三塁で全国制覇。東海大甲府で甲子園出場はないが、今年8月にアジアAAA選手権日本代表に抜てきされ、MVPとなる。高校通算71本塁打。家族は両親と兄、姉。180センチ、83キロ。右投げ左打ち。