古都の大砲が「鉄人2世」を宣言だ!

 「プロ野球ドラフト会議

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 TOSHIBA」が25日に行われ、広島は龍谷大平安(京都)の高橋大樹外野手(3年)を1位指名した。甲子園でも活躍した高校通算43本の長距離砲は、俊足で捕手もこなすアスリート。京都市内の同校野球場で行われた会見では高校の先輩で、広島で2215試合連続出場を記録した衣笠祥雄氏(65)を目標に掲げた。

 驚きだけだった。やや退屈そうにテレビを見ていた高橋の目が突然丸くなった。「2位か3位と思っていたので。ビックリしか出てこないです」。午後5時39分、広島“3人目”のドラ1指名で名前を呼ばれた。お笑いタレントほんこん似の笑顔が固い。会見では「ビックリ」を4度も繰り返した。身にまとうのは、偉大な衣笠先輩と同じ赤のユニホームになった。

 高橋

 広島は若い選手がいっぱい出てるし、厳しい練習の中でいいピッチャー、いい野手になっていると思います。衣笠さんは鉄人だったと聞いていますし、自分もケガしないようにして、ずっとこの世界でやれる選手になりたい。

 飛ばして走れる運動神経だ。昨夏の甲子園で左中間中段へぶち込むなど、体全体を使った打撃フォームで高校通算43発。両親が陸上混成競技選手だったことも影響するのか、50メートル走5秒9と足も速い。「持ち味は長打力と走塁。最多安打を取れるようになりたい。ずっとヒットを打てる選手でいたいので」。通算2543安打の衣笠が72年(当時は表彰なし)に獲得したタイトルに照準を定める。

 ライバルにも負けられない。中学時代から対戦する大阪桐蔭・藤浪が阪神に1位指名された。今でも密に連絡を取り合う親友も同じセ・リーグになった。「1回三振しているので、次は打てるように努力していきたい」。ぼくとつに「(藤浪は)しゃべれるし、賢いし、うらやましいですが…」とつぶやくが、豪快な打撃で魅せていくだけで十分だ。

 1月に右肩と右肘をクリーニング手術したが「今は全然問題ない」と高2夏まで守った捕手への意欲も見せる。木製バットも「ものにできている」と不安はない。「堂林さんが若いのにずっと出られててすごいですね」。かつての「浩二と衣笠」のようになれるか。若きスラッガー堂林の相棒が、古都から誕生しそうだ。【近間康隆】<高橋大樹(たかはし・ひろき)>

 ◆ビッグベイビー

 1994年(平6)5月11日、大阪・藤井寺市生まれ。身長176センチの母寿子さん(44)から4080グラムで生まれた。「大きな木のようになって」と名付けられた。

 ◆日本代表

 道明寺東小3年から「大井リバーサイド」で野球を始め「河南シニア」では中3でAA世界大会出場。龍谷大平安では2年夏と3年夏に甲子園出場。U18世界選手権では日本代表の中軸に座り打率4割2分1厘の活躍。

 ◆目指せサーファー

 趣味は特にないが、先日初体験したサーフィンに興味。好物はラーメン。得意科目は「それをボクに聞くのは間違いですね…」

 ◆抜群のDNA

 父正巳さん(48)と母寿子さんはともに中京大で混成競技をしていた元陸上選手。181センチ、80キロ。遠投は「100メートルは絶対いく」。足のサイズは28・5センチ。右投げ右打ち。