日本ハムからドラフト1位指名された花巻東・大谷翔平投手(3年)に、メジャー経験者がアドバイスをおくった。一時は大リーグ挑戦を表明しながらも、日本ハム入団を決意した18歳に元パイレーツ桑田真澄氏(44)が「金言」を授けた。マリナーズ岩隈久志投手(31)も日本球界で力をつける大切さを説くなど、明日3日に日本ハムと再交渉を行う大谷を後押しした。
進路に悩む18歳にぜひ伝えたい-。テレビカメラ越しに、桑田氏の思いがあふれた。この日、神宮球場で行われた野球教室ナイキ・ベースボールキャンプに参加。大谷へのアドバイスを求められると、まるで諭すかのように話し始めた。
桑田氏
僕が直接会う機会があれば、日本でまず技術力を身につけてから、向こうに行ったほうがいいと言いたいと思います。なぜなら、みんな日本で細かい野球を身につけて、メジャーに行って活躍している。イチロー君にしても、松井君にしても、野茂君にしても、松坂君にしても、野手でもみんなそうですよね。細かい緻密な野球を身につけて、向こうで挑戦してもらいたいと思います。
説得力があった。巨人にドラフト1位で入団したプロ入り時は、希望していた大学進学とのはざまで揺れた。高卒から20年間プレーし、38歳で海を渡った。入団したパイレーツでは、マイナーでの厳しさを味わった。自身と重なる部分もある大谷に待つ苦労を想像でき、日本でこそ得られる成長があることも知っている。経験者ならではの、親身なアドバイスだった。
同じイベントに参加した岩隈は「(決断は)難しいことだと思う。本人の夢は尊重したい」と大谷の心情を思いやった。今年マリナーズのユニホームを着るまでに紆余(うよ)曲折あった。2年前はポスティングシステムで交渉権を獲得したアスレチックスと破談になり、夢の実現が遅れた。それでも日本で成長できたことが、メジャー1年目から9勝できたという自負がある。「日本球界でレベルを知るというか、日本で力をつけてからいくのも、すごくいいんじゃないかと思う」と語った。
野球人生、誰しも順風満帆とはいかない。数々の苦労や試練を乗り越え、メジャーへと到達した大先輩2人の言葉は、大谷の心にも届くはずだ。【柴田猛夫】<桑田氏のメジャー挑戦まで>
◆1985年
PL学園からドラフト1位で巨人入団。◆2006年
巨人退団。◆NPB成績
【勝】173【敗】141【S】14【防】3・55。◆2007年
パイレーツとマイナー契約、その後メジャー昇格。◆初登板で
「野球の神様にありがとうございます、と言いました」<岩隈のメジャー挑戦まで>
◆1999年
堀越からドラフト5位で近鉄入団。◆2004年
分配ドラフトでオリックス入り後、金銭トレードで楽天入り。◆2010年
ポスティングでメジャー挑戦表明も、契約合意に至らず。◆NPB成績
【勝】107【敗】69【S】0【防】3・25。◆2012年
海外FA権を行使し、マリナーズ入団。◆初登板で
「いつでもチャンスは来る」



