夢は「杉撃ち」や!

 阪神からドラフト2位指名を受けた鹿児島実・横田慎太郎外野手(18)が29日、同校OBである巨人杉内との対決を熱望した。この日、鹿児島市内の同校で佐野統括スカウト部長らから指名あいさつを受けると「今は本当に遠い存在だけれど、いつか対戦できるところまで行って打ちたいなと思います」と目標を掲げた。

 この日の日本シリーズ第3戦で先発した杉内とは、面識はないが、横田にとっては憧れの人。「日本で一番素晴らしい投手。すごいなっていう印象です」。もちろん、現時点では自らも語ったように、遠い存在ではあるのは間違いないが、186センチ、85キロという恵まれた体格を生かした打撃は非凡。九州を担当する田中スカウトも「(プロでも)心配していない」と太鼓判を押す。成長を続け、少しずつでも、差を縮めてみせる。

 決意を固めた1日だった。横田は緊張から来る大粒の汗をかきながら、佐野統括スカウト部長、竹内スカウトディレクター、田中スカウトの到着を待ち、指名あいさつを受けると「すごく評価されているのが分かって、2位という指名に恥じないように頑張っていこうと思いました」ときっぱり。和田監督が「将来チームの中軸になるべく、精進あるのみ。大きく育て」と書いたメッセージも受け取った。

 今夏以降も練習はすべて参加し、木製バットを使っての打撃練習など、先を見据えて取り組んできた。横田について、田中スカウトは「努力する才能がある」と評価するほど努力の虫。今年のドラフトでは阪神で唯一の高校生。将来性を期待される横田が、念願の「杉撃ち」を実現させるため、プロの世界に、飛び込んでくる。【松本航】<横田慎太郎(よこた・しんたろう)アラカルト>

 ◆生まれ

 1995年(平7)6月9日、東京生まれ。3歳時に鹿児島へ。

 ◆球歴

 湯田小3年からソフトボールを始める。東市来中では軟式野球部。鹿児島実では1年から4番で一塁手。

 ◆実績

 高校通算29本塁打。50メートル走6秒1。遠投105メートル。今春から投手も兼任し最速141キロ。

 ◆家族

 父真之さん(50)はロッテなどで俊足巧打の外野手として活躍。母まなみさん(51)。姉真子さん(19)は鹿児島女バレー部で全国大会に出場し、現在鹿屋体大。

 ◆サイズ

 186センチ85キロ。左投げ左打ち。

 ◆好物

 魚の干物。