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インタビュー

今、投げているのが本当に楽しい!/06年9月インタビュー

--練習から明るくてとてもリラックスしている! 調子がよさそうだね

ダルビッシュ 「そうですね。いい意味で自分のペースで野球ができていると思いますよ」

--右肩痛はもう大丈夫?

ダルビッシュ 「完璧に治ってはいませんが、自分のフォームをしっかりして、痛みを和らげながら投げられていると思います。6月13日ヤクルト戦のときに気がついたんですが、テイクバックが大きかったので、それを小さくして投げたらいいんですよ。コントロールもよくなりました」

--これまでは大きくダイナミックなフォームが印象的だったけど

ダルビッシュ 「テイクバックが大きかったら、スピードは出ると思いますが、肩への負担が大きいんです」

--実際どんな場面で変化を感じた?

ダルビッシュ 「コントロールがよくなっているので、ポンポン追い込んで、リズムよく投げられるんです。球数も少なく投げられていると思います」

--球数は監督からも評価されていたね。意識して投げている?

ダルビッシュ 「試合前は意識して少なくしようと思っているんですけど、いざ投げるとそうでもなくて(笑)。でもコントロールを意識してやっていれば打ってくれる。結果的に球数が減っていますね」

--前半戦は、6月6日の阪神戦が印象的ですね(3-0。2安打完封、12奪三振)

ダルビッシュ 「プロに入って一番球も走っていたし、コントロールも良かった。変化球も全部よかったですね!」

--高速スライダーもよかった!

ダルビッシュ 「よかったっすね~あの試合は(ニコニコ)!」

--7回まで無安打! ノーヒットノーランができるかも、なんて意識した?

ダルビッシュ 「もしかしたらあるかもな~って思っていましたけど(笑)。でも、まぁそれはどうでもいいかなって、気持ちを切り替えましたね」

--3月30日今季初先発の千葉ロッテ戦は3回降板。でも、5月、6月の阪神戦からは立ち上がりがよくなりましたね?

ダルビッシュ 「そうなんですよ! 体調がよくなってきているのと、暑いほうが投げやすいんだと思うんです。寒いよりも。三者凡退っていうイニングがすごく多くなっていますしね。実は、5月24日の東京ドームでの巨人戦から感覚をつかんだんです。打たれて3点を取られたんですが、その次のイニングから打たれてもいいからテンポよくポンポン投げたろーって思ったんです。それやったら、次に抑えられた。よし、そのままいこうと。結局、うまく結果が出ましたね」

--それが5月30日の巨人戦での完投につながったんだね。魔球もチャレンジしたしね!

ダルビッシュ 「うわ! 全然ダメでしたね~(笑)。チェンジアップなんですけど、球が高めに浮いちゃうんですよね。あのときは投げ始めだったし、今はだいぶ感覚がつかめてきたので、投げられると思いますけど。今はほとんどスライダーとカーブだけで抑えているんですよ」

--その前の巨人で負けているから、今度こそ、という気持ちはあった?

ダルビッシュ 「前の試合で内海さんに完投負けさせられているので、今度は絶対に自分が完投勝ちしてやろーって思ってましたね(笑)!」

--何だか、本当に楽しんで投げているみたいだね

ダルビッシュ 「うーん、でも、勝てない時や、チームの調子が悪かったときは真剣にヤバかったですよ」

--4月6日から勝てない時期が続きましたね。辛かった?

ダルビッシュ 「5月18日、甲子園での阪神戦で久しぶりに勝ったんですね。あの時は、勝てないし、いい球も投げられない。ホンマにどうしようかなぁって思っていましたからね。それに、勝てない自分が、1軍に帯同していていいんだろうか、と。今、自分のペースで勝っていられるのは、あのときの苦しさがあったから頑張れると思うんですよ。僕の野球人生で一番辛かったですね。だから今がとても充実していますよ」

--1軍にいると逃げ道がないものね

ダルビッシュ 「あの時は精神的にヤバかったですね。何をするにも、元気も出ないし、トレーニングにも気持ちが入りませんでした」

--さて、そんな苦しい時期を経験する中で、5月18日に2勝目をあげられたきっかけは何だった?

ダルビッシュ 「あの試合は、初回から赤星さん、藤本さんに死球と四球を出してしまったんですが、その後は相手が打ち損じてくれて助かりましたね」

--自分のペースを少しずつつかんでいったんだ

ダルビッシュ 「そうですね」

--その後に、今度は右肩痛。また精神的に辛かった?

ダルビッシュ 「そうですね。6月13日のヤクルトの時からですね。ケガは気持ちを切り替えるしかないですからね。いい時の感覚が手に残っていたので、ランニングを中心に焦らずにトレーニングしましたね」

--そんな苦しい時期がありながらも、前半戦は5勝。チームでは金村選手、八木選手とともに、チームの好調を支える1人でしたね

ダルビッシュ 「前半戦では、僕にとって一番影響を受けたのはリー(コリー・リー投手)だったんです。彼がケガで離脱したのはショックでした。自分はリーから学ぶことも多かったし。リーも今、辛いだろうから、その分、勝ちたいと思うんです」

--どんなところを学んだの?

ダルビッシュ 「自分の体の状態もよくわかっていて、何事にも一生懸命。トレーニングも、いつも1人で黙々とやっているんですよ。30歳を超えていて、メジャーの経験もない中で、ここまで地道にやってきたその姿は、勉強になりましたね」

--他にも目がいくようになったのは、気持ちに余裕がある証拠。試合では、ピンチも楽しんでいるように見えるけど?

ダルビッシュ 「そうですね。楽しいですよ。自分で思っていることがピンチにも生きているからいいと思うんです」

--ここでどう打ち取ろうとか、そういうところまで気持ちが回っているよね

ダルビッシュ 「そうですね。7月7日の西武戦、1死一、三塁でバッター、カブレラ。2-1で一打同点か逆転の場面で、外のスライダーのサインだったんですが、バッターを見たら明らかに待っている。首を振ってインコースのシュートを投げたらサードゴロ! 気持ちよかったですね」

--去年の経験が生きているところってある?

ダルビッシュ 「今三者凡退が多くて、去年は少なかったんですね。なんでかな~って考えたら、去年は球が甘かったし、フォームの開きも早かった。テイクバックも大きいから、後ろで球が見えていたんですよね。それに気がついて、今、こうやっていいフォームを見つけて投げられている。それは去年の失敗があったからなんですよね。こうやって1つ1つ気がついていって改善してよくなっていく。その時は苦しいけど、結果が出たときはうれしい! そんな毎日が充実していると思います」

--去年のはじめはよく2軍で走らされてたけど、今年、完投している姿を見ると、それもプラスになっているんだね

ダルビッシュ 「いやいや(笑)! 自分、前から完投する力、ありましたよ~(笑)! 力配分せずに全力で行っても完投出来るんです。もともと投げているのが好きだから。好きなことって疲れないんでしょう。決してバテることはないですからね」

--今年、シーズンが始まったころと比べても違う?

ダルビッシュ 「キャンプで右肩を痛めて、調整不足のまま開幕したので、最初は体のキレもなかったんですけど、今は体のキレもあるし、フォームも全然違う。何より、今が一番自信があります!」

--チームも、球団タイ記録の11連勝。生で感じる強さってある?

ダルビッシュ 「1点が入るたびに盛り上がって、いい雰囲気を感じますよ」

--やっぱり、勝つっていい!

ダルビッシュ 「そうですね。今は勝ちたいのと同時に、優勝したい! 今年は新庄さんが最後のシーズン。優勝して終わりたいな~って思います」

--よく声をかけてもらっているの?

ダルビッシュ 「はい! 前髪がアカンとか(笑)。ストレートパーマをかけたらアカンとか。服装がどうとかね(笑)」

--最後に後半戦の目標をどうぞ!

ダルビッシュ 「優勝できるように少しでもチームに貢献したいですね。あとは、八木さんに負けないよう頑張ります! (笑)」

(日刊スポーツ出版社「プロ野球ai」06年9月号から)



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