ボクシングの元2階級王者粟生隆寛(30=帝拳)が、背水の陣で3本目のベルト獲得に挑む。5月1日(日本時間2日)に米ラスベガスで、WBO世界ライト級5位ベルトランと同級王座決定戦を行うことが決定し、2日に都内で会見。約2年半ぶりに巡ってきた世界戦に「試合当日は31歳。負けたら次はない。これが最後のチャンスだと思って戦う」と決意を語った。

 09年3月にWBCフェザー級、10年11月に同スーパーフェザー級王座を獲得。亀田興毅に次ぐ日本人2人目の3階級制覇に向け、無冠戦4試合に勝利しチャンスを待った。ライト級転向後は食事の量、質を見直すなど体調管理を徹底。すでにリミットまで2キロを切り「いつ声がかかってもいいようにコンディションを整えていた。今は単純にわくわくしている」と順調な調整ぶりをアピールした。

 試合は、翌日に同地で行われる“世紀の一戦”パッキャオ-メイウェザー戦の前夜祭という位置づけの興行のメーン。米国のテレビ局も取材に訪れるなど、粟生に対する注目度も高いが「自分のアピールどうのこうのよりも、ベルト。とにかくベルトがほしい」と繰り返した。国内で調整を続け、23日に渡米する。【奥山将志】