ボクシングWBA、WBC、WBO世界スーパーバンタム級1位中谷潤人(28=M・T)がビッグマッチを制し、一気に最強の「称号」を狙う。
5月2日、東京ドームで4団体統一同級王者井上尚弥(33=大橋)に挑戦する。23日に相模原市の所属ジムで練習を公開。米老舗専門誌ザ・リング選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強選手)ランキング2位の井上を倒し、目標の1位を獲得する意欲を示した。
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中谷がモンスターから奪うものは4本の世界ベルトだけではない。PFP1位の「称号」にこだわる。現在は2位の井上に対し、中谷は6位。PFP対決に向け「ぶらさず、PFP1位というものは思っているところなので。そこに近づいていけるように今回勝利を収めたい」と言葉に力を込めた。
25年9月、PFP3位だったテレンス・クロフォード(米国)が同8位だった4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)を撃破。一気に1位に浮上した例がある。PFP対決を制することには大きな意味がある。中谷は「プロボクサーとしてこの場所に立たせてもらうことに感謝している。自分自身を悔いなく発揮したい」と意気込みを示した。
約1カ月間の米ロサンゼルス合宿で指導を受けてきたルディ・エルナンデス・トレーナーと同日便で日本に戻り、万全の態勢で最終調整している。井上戦の特製Tシャツにはプロ33戦目を示す「33」の数字が刻まれた。「大きな試合。僕のキャリアにとって素晴らしいものになるように全力を注ぎたい」と決意を口にした。
試合当日はボクシング国内最多となる5万5000人の観衆が詰め掛ける予定。「5万5000人を魅了するようなファイトができると思っている。みなさんに満足してもらえるような。楽しんでやりたい」。ビッグバンと呼ばれる中谷がPFP1位の称号を得るため、持ち前の爆発力をみせつける構えだ。【藤中栄二】
◆パウンド・フォー・パウンド(PFP) 創刊100年以上の歴史がある米老舗専門誌ザ・リングが最初に選定した、異なる階級の選手を体重差がなかったとして比較した場合の現役最強ボクサーを示す称号。過去にマイク・タイソン、ロイ・ジョーンズ、マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザーら名王者がPFPの評価を得た。日本人では井上尚弥が2度、1位に。トップ10入りは中谷潤人、山中慎介、内山高志、井岡一翔、寺地拳四朗らがいる。
○…井上陣営は大橋会長と父真吾氏らトレーナー4人の総勢5人で公開練習を視察した。「それだけ警戒しているということ。動画で見るのと、直で見るのとでは全然違う」と大橋会長は異例の大人数で訪れた理由を説明。中谷の練習を見終えると「足の筋肉のつき具合を見ると相当厳しい練習を積んで鍛えている。パンチも全部怖い。これからジムに戻って話し合いです」と警戒感を強めていた。

