ボクシングの47戦無敗の世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(38=米国)と、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(36=フィリピン)が今日2日(日本時間3日)に激突する。1日(同2日)、会場の米ラスベガスMGMグランドで計量が行われ、メイウェザーはリミットを400グラム下回る66・2キロ、パッキャオは65・8キロで、ともに1回でパスした。

 和やかな表情で先に姿を見せたのはパッキャオ。「ファンは私の勝利を望んでいる。両方のファンは素晴らしい試合を見る資格がある」と決意を語った。続くメイウェザーは、観客をにらみつけるパフォーマンスでステージに登場。「何も恐れることはない。今までの47戦を見れば分かる」と静かに闘志を燃やした。

 スポーツ史に残る一夜になる。米経済誌フォーブスは、この一戦の総収入を4億2000万~4億4000万ドル(約504億~528億円)と予想。スポンサー料は1300万ドル(約15億6000万円)、入場料収入が7500万ドル(約90億円)、視聴ごとに課金されるテレビのPPV(ペイ・パー・ビュー)は3億ドル(約360億円)と驚きの数字を並べた。

 ロンドン五輪ミドル級金メダルの村田は「凡戦になるか良い試合になるかで、今後のボクシング界が左右される」と、この試合の持つ影響力を表現した。この10年、世界最高選手の評価を二分してきた両者。2人の天才ボクサーが「世紀の一戦」で雌雄を決す。

<メイウェザーVSパッキャオ>

 ◆悪役と英雄 メイウェザーは女性への暴力による逮捕歴や、試合前の挑発的な態度が有名。パッキャオは貧しい家庭から拳1つで国民的英雄に上り詰めた。母国では国会議員を務め、将来の大統領に推す声も。

 ◆階級 メイウェザーの無敗の5階級制覇は史上初。パッキャオの6階級はデラホーヤに次いで2人目で、フライ級(リミット50・8キロ)からスーパーウエルター級(同69・8キロ)までの10階級の重量幅で達成。

 ◆収入 14年のスポーツ選手の長者番付(フォーブス誌)では、メイウェザーの年収は円換算で125億円で世界一。パッキャオは50億円で11位だった。

 ◆ニックネーム メイウェザーは派手な金遣いなどから「マネー(金の亡者)」。パッキャオは「パックマン」。名選手をのみ込むように次々倒し、コンピューターゲームの「パックマン」にたとえて呼ばれる。

 ◆リーチ差 メイウェザーが13センチ長い。パッキャオが得意の踏み込みでこの差を埋められるか。

 ◆予想 英国のブックメーカーのオッズではメイウェザーが優勢。世界王者の山中、井上ら多くの関係者が「メイウェザーの判定勝ち」と予想。