WBA世界ライトフライ級王者田口良一(29)は3度目の防衛に成功した。田口は亀田興毅と因縁の連戦をした同級7位ランダエタと対戦。9回に左ボディー連打を皮切りに11回までに合計5度ダウンを奪い、相手が棄権で11回終了TKO勝ちした。

 田口はV1戦に続くダウンショーで3連続TKO防衛した。9回に左ボディーで最初のダウンに連打で2度目。10回にワンツー、11回に連打で2度と合計5度ダウンを奪う。8歳上で過去36戦してダウン1度、KO負けのないランダエタがついにギブアップした。

 「KOしたかった」とまた反省だった。ランダエタが06年に亀田興と初めて戦ったのは、田口のプロデビューから14日後だった。ダウンを奪うも判定負けで大騒ぎになった。名はあるが1度引退し、14年に5年ぶりでリング復帰した相手。そのランダエタとは昨夏にスパーしている。力の違いを見せたが、初のKOを逃した悔しさが募った。

 2回に右フックでぐらつかせた。「仕留めようと力が入った」とダウンを逃すと反撃も食ったが、得意の左ボディーが口火に。ダウンの連続も「声援がなくなり、ボクもため息。細かい連打を的確に当てないと」。世界戦で奪ったダウンは13度とまた課題が残った。

 初防衛戦は祝勝会続きから8キロの減量に苦しみ、V2戦は3週間前に風邪をひいた。今回は万全の準備を心掛け、寝る時にはぬれマスク、異変を感じたらのどあめ、予防にいいヨーグルトを毎日飲んだ。「3回ぐらい危なかった」が最高の仕上がりだった。

 秋予定のV4戦は日本人対決の可能性がある。2階級制覇へWBOミニマム級王座を返上した田中、元WBA同級王者で現在2位の指名試合候補の宮崎、日本3組目の親子王者でホープの拳。「アウェーでも名が上がる。決まれば誰でも戦う」と受けて立つ。【河合香】