WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(29=緑)と前王者で同級1位・寺地拳四朗(30=BMB)との因縁の再戦が行われ、挑戦者寺地が3回1分11秒KO勝ちした。
寺地拳四朗が3回KO王座奪還、因縁の矢吹正道を「新しい作戦」でワンパンチ撃破
◆WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
矢吹正道 | ● | 3回KO | ○ | 寺地拳四朗 |
入場
挑戦者・寺地は、人気アニメ「北斗の拳」のオープニングテーマにのって、白いガウンを身にまとって登場した。一方の王者・矢吹は、往年の人気ドラマ「スクール☆ウォーズ」のオープニングテーマで登場。こちらも真っ白のガウンにまとい、フードで目元を隠してリングに上がった。
◆ラウンドVTR◆
1回
寺地は、開始からジャブをついて、前に出る。矢吹はどっしりと構えて長いジャプを飛ばす。時折、大きなアッパーを飛ばす。寺地は細かい連打も見せる。
2回
寺地がプレッシャーを強める。右ストレートを再三、ヒットする。会場の声援を受けて攻勢に出る。矢吹はガードを固めて、左フック、右ストレートをヒットするが、手数が少ない。
3回
寺地が1分11秒、矢吹のあごに右ストレートをクリーンヒットさせ、KO勝ち。
寺地拳四朗「(リング上で)どっち向いたらいですかね? ああ~、うれしい。ありがとうございます。ああ~、良かった。みんなボクのスタイルにビックリしたでしょ。(トレーナーの)加藤さんを信じてやってきて良かった。倒しにいくと決めていた。加藤さんを信じて負けたら仕方ないと思った。勝てると思って信じてやっていきました。(矢吹に対し)ボクを強くしてくれてありがとうございました。本当に今回の(試合)で、これで完全に自信を取り戻した。これから強い相手としかやらないので、統一戦や階級を上げたり、考えている。今日よりも強くなっちゃうので、よろしくお願いします。本当に(元WBC世界バンタム級王者)長谷川さんが、勝てば違う景色みえると言っていました。新しい景色は最高です。幸せすぎる、一番うれしい」
◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう) 1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれ。奈良朱雀高→関大。アマ戦績は58勝(20KO・RSC)16敗。14年8月にプロデビュー。15年12月に日本ライトフライ級王者、16年8月に東洋太平洋同級王座を獲得。17年5月にWBC世界同級王座を獲得し8連続防衛。プロ戦績は18勝(10KO)1敗。身長164・5センチの右ボクサーファイター。
◆矢吹VS寺地因縁再戦VTR 昨年9月22日、京都市体育館で対戦。4ラウンドごとにスコアが公開されるWBCのルールで、序盤から矢吹がポイントをリード。中盤以降に寺地が出て盛り返すが、9回の攻防で右目上をカットして出血。矢吹が10回2分59秒TKO勝ちでベルトを奪い、寺地の連続防衛は8回でストップした。寺地陣営は右目上をカットした場面を「故意のバッティング」と主張、JBCに質問状を送付。「レフェリーの判断に問題はなかった」とする回答書を不服として再抗議していた。WBCも再戦を指示。日本人王者同士、異例のダイレクトリマッチ(直接の再戦)が組まれた。
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