<ラウンドVTR>◇10月6日◇大阪市中央体育館○王者デンカオセ-ン・カオウィチット(33=タイ)判定2-0×WBA世界フライ級11位亀田大毅(20=亀田)

 <1回>ゴングが鳴ってまずデンカオセーンが前に出てくる。大毅はガードを固めて様子をうかがっている。大毅はボディを狙ってくるデンカオセーンの左ジャブを冷静にかわす。残り30秒で大毅が接近戦に持ち込むがデンカオセーンは距離を取り、大毅が挑発するシーンも。

 <2回>大毅はデンカオセーンの執拗なボディー攻撃にたまらずクリンチ。大毅はガードを固めて前に出てくるが、デンカオセーンはボディーを打っては後ろに下がるアウトボクシング。お互いに左を出して様子をうかがっており、打ち合いまでにはいたらず。

 <3回>大毅はこの回も相手に右ボディーを出され、ペースを握れない。少しいら立ったかにらみつけるシーンも。ただ、デンカオセーンのボディも空を切る場面が多くなり、そのスキに大毅の右が決まるようになる。残り20秒で大毅の右フックがクリーンヒットした。

 <4回>お互いに距離を詰めるものの、すぐにデンカオセーンがクリンチしてしまう。デンカオセーンは相変わらずボディーを多用しているが、大毅もボディーを打って対抗する。距離を置こうとするデンカオセーンに対して、大毅は距離を詰めていくが有効打は出ない。

 <5回>大毅は頭を下げ、ガードを固めながら接近し右フックを繰り出す。右のボディーから左フックを当てるなど、パンチがヒットするようになってきた。大毅は果敢に前に出てくるが、デンカオセーンの右ボディーが強烈で、なかなか決めきれない。

 <6回>大毅は左から右とリズムよくパンチを当てて、攻勢に出る。デンカオセーンはたまらず後ろに下がったが、前に出てくる大毅を左ジャブを当てて止める。終了間際に大毅はワンツーを繰り出すが、これは距離が合わず空振りになった。

 <7回>大毅が間合いを詰めてくるが、デンカオセーンはクリンチしてなかなか打ち合いにならない。大毅は左フックを当てているが、デンカオセーンもワンツーで応戦し、互いに有効打が出ない状況。最後も前に出た大毅にデンカオセーンが組みついたところでゴングが鳴った。

 <8回>大毅は接近戦で左ボディーを連打。デンカオセーンはすぐにクリンチしてしまう。デンカオセーンは疲れてきたのか、大毅の体をつかむ場面も出てきた。大毅は前に出るが、相手は右ボディーでカウンターを狙っており詰めきれず、決め手を欠く状況が続いている。

 <9回>大毅は接近戦から左フックから左ボディーをヒットさせる。デンカオセーンはパンチが1発ずつしか出てこない。大毅は前に出てチャンスをうかがうが、どうしてもデンカオセーンに組みつかれてしまう。

 <10回>大毅は足の止まりかけた相手を左ボディーで攻める。55秒すぎにロープに追い込んで連打を決める。大毅の手数が増えているのに対し、デンカオセーンはパンチが出なくなっている。クリンチで逃げる老かいなデンカオセーンを大毅はあと一歩仕留められない。

 <11回>大毅はデンカオセーンが組みついてくるところを左フック→左ボディー。パンチが相手の顔面を捕らえる場面が増えてきた。ロープに追い込んで連打を打ち込んでリズムに乗ってきた。デンカオセーンは手数がめっきり減り、ひたすらしのいでいる。

 <12回>ゴングともに大毅が勢いよく飛び出す。デンカオセーンも応戦してリング中央での打ち合いになった。デンカオセーンの右ボディーも構わずに大毅が前に出て連打を続けるが、デンカオセーンは老かいにかわし続け、12回での決着は付かなかった。

 判定は113-115、113-115、114-114の0-2で大毅の世界王座奪取はならず。デンカオセーンが2度目の防衛に成功した。