元プロボクサー袴田巌死刑囚(77)の第2次再審請求を支援しようと、WBCの現役世界王者らが立ち上がった。

 早期の再審開始を求める署名に次々とサインし、支援活動を行う日本プロボクシング協会の新田渉世事務局長も「心強い。世論を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 11月上旬にタイ・バンコクで開かれたWBC総会で、新田さんらがパネルを使って事件を説明。“ハリケーン”の異名を取り、殺人容疑で逮捕され、19年の投獄後無罪となった元ボクサー、ルビン・カーター氏のビデオメッセージも上映し、「袴田さんは日本のカーターだ」と訴えた。

 会場では、ウクライナ出身のヘビー級王者ビタリ・クリチコや中国出身のミニマム級王者の熊朝忠、プロモーターらが署名し、WBCも組織を挙げて支援することを表明した。

 新田事務局長は「袴田さんは『ボクサー崩れ』という偏見から逮捕され、47年間も勾留されている。世界に発信し、何とかうねりをつくりたい」と話している。来年1月に集めた署名を静岡地裁に提出する予定で、世界王者が支援を呼びかけるイベントも検討している。

 日本ボクシングコミッションの記録によると、袴田死刑囚は1959年から61年にかけて29戦16勝10敗3分の成績を収め、日本フェザー級6位まで上り詰めた。