圧巻の相撲で、頂点に立った。小結若隆景(31=荒汐)が12勝3敗で、3番目の長期ブランクとなる25場所ぶり2度目の優勝を果たした。本割で4敗の藤凌駕を退け、結びで宇良を下した大関霧島との優勝決定戦も力でねじ伏せた。審判部も成績と内容を評価し、大関とりへ、確かな第一歩を踏み出した。
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若隆景は夏場所前の4月28日に、あこがれの存在でもある3代目横綱若乃花の花田虎上さんから助言を受けた。ABEMAの企画としてインタビューを受けると同時に、「右を差した後、どうしたらいいか」という質問もした。
花田さんは「攻めている時に止まらない。小さい体の力士が止まると相手に余裕を与えてしまうから。気付いてたのか分からないけど、それを伝えたかったんです」と明かした。実際に今場所は、動きを止めることなく攻めきった。助言をすぐに体現できる実力が、若隆景には備わっていた。
若隆景は183センチ、138キロ。花田さんは現役時代、180センチ、134キロ。体格がほぼ同じ。大きい相手に、技術を生かしていかに勝つか頭と体を駆使しているからこそ、2人は特に共感できた。
花田さんには、若隆景が大関に昇進するためのポイントが頭にある。「(若隆景は)素直な力士なので、相撲がきれい。いいことなんだけど、相手に読まれる。当たってからの駆け引きとか、ちょっとやんちゃなずるさがあるといい」。これはまだ、若隆景には伝えていないという。
若隆景はこの日の優勝後「場所前にアドバイスいただいたことに感謝しています」と話した。実は花田さんが着ていた着物を、間接的におねだり。花田さんは、クリーニングに出しており、近くプレゼントする予定という。若隆景は「楽しみにしてます」と笑顔を見せていた。【佐々木一郎】

