注目のフライ級戦線で、日本人王者によるダブル世界戦が行われることが28日、分かった。WBA王者坂田健史(28=協栄)の4度目の防衛戦とWBC世界フライ級王者内藤大助(33=宮田)の3度目の防衛戦が7月30日、東京・代々木第1体育館で開催される。坂田はWBA3位の久高寛之(23=仲里ATSUMI)、内藤は日本王者でWBC14位の清水智信(26=金子)と対戦。勝者同士による世界王座統一戦、それぞれの勝者による亀田興毅(21)戦と、年内のビッグマッチにつながるダブル世界戦になる。

 話題のフライ級で、2人の日本人世界王者が同じリングに立つ。当初は別々で防衛戦を行う予定だった。ともに前回の防衛戦が3月だったため、北京五輪前の7月に防衛戦を希望していた。まず、内藤陣営が7月30日の代々木第1体育館を確保。坂田陣営が別の日時、場所を探していた時に、ダブル世界戦案が浮上した。ボクシング界を盛り上げるとの両陣営の考えが一致したようだ。

 くしくも、ともに日本人対決となる。坂田に挑戦する久高はまだ23歳で、スピードを武器とするカウンターパンチャー。20歳で世界ランク入りした実力の持ち主でもある。内藤に挑戦する清水は、昨年世界挑戦した経験もある現日本王者。実力はもちろん、イケメンボクサーとしても知られる。注目のフライ級での王座奪取で新たなヒーローになるチャンスだけに、両試合とも熱戦が期待できる。

 ダブル世界戦は、年内の日本人同士のビッグマッチにもつながる。勝者同士による世界王座統一戦、それぞれの勝者-亀田興毅戦など、ダブル世界戦後の夢のカードが広がる。特に、世界王者坂田、内藤がそれぞれ防衛に成功すれば、ともに亀田戦との声が出る。坂田と協栄ジムから離脱した亀田との対戦は真の因縁対決。内藤と亀田も、昨年10月の内藤-大毅戦の因縁が残るだけに、話題を呼ぶことは間違いない。

 注目カードを実現するためには、両王者とも、まずは今回の世界戦のハードルを越える必要がある。今回のダブル世界戦は、ボクシング界の起爆剤になるはずだ。