大関霧島(30=音羽山)が新関脇の琴勝峰(26=佐渡ケ嶽)を退け、2敗を守った。立ち合いでは琴勝峰の鋭い圧力を受けて一瞬後退したものの、慌てることなく左を差して流れを止め、最後ははたき込んで白星をつかんだ。取組後は「ちょっと下がっちゃいましたけど、体が動いて良かったです」と振り返り、苦しい形になっても冷静さを失わなかった一番に手応えをにじませた。
琴勝峰とは25年名古屋場所以来の対戦。先場所で11勝4敗と好成績を残していただけに警戒も強かった。「名古屋で負けているので、頭にありました。自分を信じていきました。最近見ていると、前に出てくるので、どうなっても焦ることなく、前に出ようと思っていました」と明かし、敗戦の記憶を踏まえた上で、自分の相撲を貫く意識が勝因になった。
師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)も、取組前から状態の良さを感じ取っていた。今場所については「負けた2番は少し強引だったけど、しっかり切り替えができている」と分析。前日に続き強引さは影をひそめ、相手の動きをよく見ながら対処した。
この日は同じ大関の琴桜が休場を発表し、2横綱2大関が不在に。番付上位で出場を続けるのは霧島だけとなったが「考えている場合じゃない。自分のことが一番」と言い切った。2桁勝利到達にも「うれしいけど、ここで終わらずしっかり残り3番、いい相撲を取っていきたい」と表情を引き締めた。
あす13日目は同じ2敗で並ぶ琴栄峰との大一番。勝てば単独トップに立ち、2場所連続優勝へ大きく前進する。「稽古のおかげでここまできている。しっかりやっていきたい」と充実感を口にした大関は、最後まで賜杯(しはい)争いの主役を譲るつもりはない。【山田遼太郎】

