WBA世界フライ級王者の坂田健史(28=協栄)が大みそかに、故郷広島で5度目の防衛戦を行うことが12日、分かった。指名挑戦者で同級2位デンカオセーン・カオウィチット(タイ)と対戦する。昨年11月にダウンを奪われて引き分けた相手との決着戦。プロボクシングでは初の大みそか興行による凱旋(がいせん)試合は、WBC王者の内藤大助、WBC3位の亀田興毅の影に隠れがちだった坂田にとって、最高のアピールの場になりそうだ。

 内藤-亀田のビッグマッチが消滅の危機を迎える中、坂田はプロボクシングでは史上初となる、故郷広島での大みそか興行で勝負を懸ける。この日、坂田の所属する協栄ジムの金平会長は「(大みそかも)候補の1つです」と話すにとどめたが、関係者によると、広島サンプラザホールでの大みそか開催で準備に入ったという。

 指名挑戦者デンカオセーンとの再戦。昨年11月の2度目の防衛戦では初回にダウンを奪われたが、その後の反撃で三者三様のドロー防衛で王座を死守した。強敵との因縁対決に向けて、坂田は8月上旬には練習を開始。調整は順調で、凱旋試合での完全決着に自信を見せている。

 当初は次戦の相手として指名挑戦者に予想されたWBA1位の亀田を第1候補に考えた。だが、亀田は7月の内藤戦後のリングに乱入し、挑戦を直訴した。坂田陣営は反発したが、その後、WBAはデンカオセーンを指名挑戦者に認定。坂田も気持ちを切り替え、対策を進めていた。

 大みそかは総合格闘技との「戦い」でもある。試合を放送予定のTBS系列の大みそかといえば、格闘技「Dynamite!!」が年末を締めくくるイベントとして定着。放送時間は未定も坂田は、魔裟斗、山本KIDら格闘家のファイトを超える激しいファイトを目指す。大みそかにボクシングをアピールすることで、内藤、亀田以上の存在感を示す。