89年4月24日の新日本プロレス初の東京ドーム大会で、アントニオ猪木氏(66)に異種格闘技戦で初黒星をつけたグルジア人のショータ・チョチョシビリ氏が27日、がんのため死去した。59歳だった。ロッテルダムで行われている世界選手権会場で、国際柔道連盟(IJF)が発表した。

 チョチョシビリ氏はソ連代表として出場した72年ミュンヘン五輪の柔道男子軽重量級(93キロ以下)で金メダルを獲得。新日本の東京ドーム大会ではメーンで猪木氏とロープのない円形のリングで対戦し、裏投げ3連発でKO勝ちを収めた。同5月25日の新日本大阪大会では敗れたが、猪木氏に異種格闘技戦で初黒星をつけた男として名を挙げた。

 引退後はグルジアのスポーツ界で要職を歴任した。かつてのライバルの死に猪木氏は「戦いを通じて友情を培った人間に、また1人、先立たれてしまうのか。私より年下というのも辛い。彼との試合は初の東京ドーム大会で負けたという意味でも、すごく印象に残っている。ご冥福をお祈りしたい」とコメントした。