前WBC世界フライ級王者の内藤大助(35=宮田)が29日、現役続行を表明した。昨年11月29日に現王者亀田興毅(23=亀田)に判定負けを喫して王座を手放して以来、去就について沈黙を続けていたが、2カ月ぶりに都内で会見に臨み、「再戦してリベンジしたい」などと約40分間にわたり、「打倒興毅」への熱い思いを激白。さっそく同夜には葛飾区の宮田ジムで本格始動した。オプション(興行権)は内藤陣営が保有しているため、早ければ夏前にも「亀田-内藤」第2弾が実現する可能性が出てきた。

 進退についてですけども、現役、まだやります。(宮田ジム側に)オプション(興行権)がありまして、また亀田選手とやれる可能性があるので、やります。モチベーションはそこだけ。やるからには再戦してリベンジしたい。やっぱり悔しかった。今も…。

 (去就は)ゆっくり休んで考えようと思ってた。(現役続行すれば)また、トレーニングからつらい思いをするわけで、年齢的なことも考えたし、チャンピオンにもなれたし、5度防衛できたし、「もういいや」って、逃げたかったのもある。でも時間がたったら、悔しい思いがどんどんでてきて「まだ、できる。勝てなくねーなー」って。今のままでは納得できないって思った。それで復帰決めたなー。(休養中に)ジムに練習を見に行った。すごく楽しく見えた。「また、ここに入りたい」って思ったね。つらいんだけどね、そっちの方が。好きなんでしょうね。

 【今は王者に返り咲くことよりも、亀田にリベンジすることしか頭にない】

 はっきり言います。そうです。フライ級でやりたいです。追う立場で逆になるけど、チャンピオンの時より気持ちが少し楽になるかもしれない。どうせやるには楽しくやりたい。(前回の敗因は)ポイントの取り方とか、相手の方がうまかったんじゃないかな。ボクシングスタイルが、相手の方が上回っていた。そこを次は変えないとって思う。

 (27日の年間表彰式で)「こんにちは」って(亀田に)声かけたんだな。そっけなかったなあ。他の選手としゃべっていて、ちょっといらついたけど、彼もプロ意識がすごく高い選手だからオプションも握られてるし、また対戦することがあるんだろうなって、考えての行動じゃないかと思うんです。でも冷たかったな。ちょっと寂しかったな。でもいいの。それぐらいの方が燃えるもん。「コノヤロー」と。

 【亀田は3月下旬に同級暫定王者ポンサクレック(タイ)と初防衛戦を予定。内藤との再戦は亀田が勝った場合、早ければ夏前にも実現の可能性がある】

 ポンサクレック戦は亀田が勝つことしか考えてないんですよね。とにかくやると決めたからにはすぐにでも練習を始める。(復帰戦は)ジム側と相談して決めたい。(亀田との再戦が)よっぽど時間がかかるなら、(1試合)挟みたい。そうでなければ直接やりたい。こんなおっさんでも、ボクサーとしてピークがとっくに過ぎているかもしれないけど、頑張るところを見せたいし、いろんな人に勇気を与えたい。

 もちろん次こそラスト。負けたら引退ですよ。絶対ですね。【構成

 浜本卓也】