<プロボクシング:日本ライトフライ級王座決定戦10回戦>◇10日◇大阪府立体育会館第2競技場

 元世界2階級王者・井岡弘樹氏のおいで、WBC世界ライトフライ級7位の井岡一翔(21=井岡)が、日本同級1位の瀬川正義(26=横浜光)を10回1分57秒TKOで下し、デビュー6戦目で初タイトルを獲得した。3回に右強打でダウンを奪う快勝だった。井岡陣営は次戦を世界戦にしたい意向をあらためて表明。これまでの今年の年末案に加え、来年1月案が新たに浮上した。辰吉丈一郎と名城信男が持つ世界王座獲得の国内最短記録(8戦目)更新の期待がかかる。

 勝ち取ったベルトは、右肩にぶら下げた。それは世界までは腰に巻かないという意思表示だった。井岡は「世界前哨戦」と位置づけられた初の王座戦を、いとも簡単にクリアした。「何をしても勝てると分かっていた」。6戦全勝(4KO)とした21歳は、大胆に言い放った。

 3回2分すぎに右カウンターで尻もちをつかせ、9回には再び右で瀬川の左目尻をカット。10回にはその傷の出血がひどくなり、TKO勝ち。9回終了時の採点は2者が7点差という一方的な内容。井岡はKOを狙いラッシュを仕掛けようとしたが、セコンドが自重させた。トレーナーの父一法さん(46)は「無理しなくても勝てると思った」という余裕があった。

 井岡は「この勢いに乗って次の7戦目で世界をとります」と宣言。弘樹会長は「200点をあげたい」。標的はWBC王者ニーニョ。年末か、来年1月にも大阪で世界戦を実現させたい考えだ。【大池和幸】