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 GP決勝戦>◇11日◇東京・有明コロシアム

 アリスター・オーフレイム(30=オランダ)がK-1の頂点に立った。決勝でピーター・アーツ(40=同)と激突し、コーナーに追い込んで左右フックの連打などを浴びせて1回1分7秒、KO勝利でWORLD

 GP(WGP)初制覇を成し遂げた。米総合格闘技ストライクフォース(SF)世界ヘビー級王座に続き、立ち技最強の称号も手にした。大みそかDynamite!!(さいたまスーパーアリーナ)参戦が確実で、DREAM世界ヘビー級王座決定戦のカード設定を要求するなど「地上最強」を目指す姿勢を示した。

 マッスルモンスターは誰にも止められなかった。準々決勝のスポーン戦は「決勝までの2試合を考えて」(オーフレイム)確実なファイトで判定勝ちだったが、準決勝はサキを2分33秒、左ミドルキックでKO葬。決勝のアーツ戦では右フック、左フックを連発した後、最後は右ストレート、左ボディーを打ち込み、わずか67秒で沈めた。「決勝はKOで勝って優勝」との予告通りにGP制覇を手にした。

 昨年、WGPに初挑戦して4強入りした。1年前は総合からの刺客、外敵扱いだったが、今やK-1の中心にいる。オーフレイムは「16年間練習し、13年間、試合をした。9年も日本で戦った。1歩1歩の戦いが自信。努力で得た成果だ」と胸を張った。米総合メジャー団体SF世界ヘビー級王者のGP制覇に、K-1谷川貞治イベントプロデューサー(EP)も「総合格闘技の王者が初めてK-1王者になった。新しい感じがする」と新時代の到来を口にした。

 オーフレイムは練習メニュー、生活までもが怪物的だ。ハンマーを振り下ろしてパンチ力を上げる背筋を鍛える。160キロのおもりを持って走る。また250キロのおもりを持ちながら階段をのぼり、300キロのおもりをベンチプレスのように持ち上げる。練習の合間に1日8食をたいらげ、筋肉とパワーを養った。フラミンゴ専属コーチの指導を愚直なまでに消化する。地道な努力のモンスターに張り合う敵は存在しないだろう。

 1日3試合のトーナメントを制したが、オーフレイムは「ダメージはない。すしを食いたい」と余裕たっぶり。大みそかDynamite!!出撃が確実で「DREAM世界ヘビー級タイトルをやりたい」と宣言。相手はバーネットやヒョードルの可能性もあり、オーフレイムが「地上最強」を目指して突き進む。【藤中栄二】