WBA世界バンタム級王者亀田興毅(24=亀田)が強力な援軍を得た。同級14位ダニエル・ディアス(27=ニカラグア)との初防衛戦は今日7日、大阪府立体育会館で行われる。今回、チーフセコンドとして元世界3階級制覇王者フェルナンド・モンティエル(32=メキシコ)のトレーナーで実兄エドアルド氏(35)を招聘(しょうへい)。実力派トレーナーによる戦略面のサポートを受け、世界戦で自身初のKO勝利を狙う。また6日の前日計量は興毅が53・5キロのリミット、ディアスは53・1キロで1発クリアした。

 メキシコから力強い助っ人を呼んでいた。6日に大阪市内のホテルで行われたルールミーティング。亀田陣営のチーフセコンドとして、モンティエルのトレーナーを務める実兄エドアルド氏が出席していた。興毅は「助っ人で来てくれたんや。試合前の控室でアドバイスをしてくれると思うし、セコンドもついてくれるからな」と素直に喜んだ。

 昨年4月に長谷川穂積を4回TKOで倒してWBC・WBO世界バンタム級統一王者となったモンティエルはボクシング一家で育った3兄弟の末弟。一族そろってメキシコ・ロスモチスでジムを運営している。今年2月に王座陥落したが、元世界3階級制覇の実力は世界に知られる。同陣営の戦略担当トレーナーとなるエドアルド氏と亀田家の親交は深く、和毅も今年2月に出稽古した。モンティエルとは同階級で対戦の可能性もある興毅は「気にせえへん。前にもメキシコで練習を教えてもらった」と信頼して迎え入れた。

 特にディアスは試合ビデオがほとんどない未知なる敵だ。非常に情報量が少ないが、エドアルド氏は「ディアスはパンチのある良い選手。かなりタフに前へ出てくる。あとは試合内容で変わってくる」と熟知している様子。興毅にとっては大きな援軍となりそうだ。

 計量をリミットでパスした興毅は分厚いマンガ雑誌を真っ二つに引き裂いてみせた。04~05年、プロデビューから東京進出を果たした当時の亀田流パフォーマンスを復活させた。「大阪でデビューした頃はガムシャラに突っ走ってきた。今は技術で上がった分、ガムシャラさがなくなった。今回、その2つをミックスして最高のボクシングをしたい」。強力援軍を手にした興毅が原点を意識し、地元大阪で世界戦初KO勝利を狙う。【藤中栄二】