<新日本:G1クライマックス>◇1日◇福岡国際センター◇4500人

 今年で21回目を迎えた新日本の真夏の祭典「G1クライマックス」が開幕した。2年連続優勝を狙う小島聡(40)と鈴木軍のボス鈴木みのる(40)の“外敵”同士の戦いは、小島が12分40秒、必殺のラリアットからの片エビ固めで勝った。5月に新日本に乗り込んできた鈴木に子分を奪われ、いたぶられ続けてきた小島が、リベンジを果たした。

 小島が鈴木への雪辱を果たし、連覇へ向けて白星発進した。鈴木の執拗(しつよう)な右腕への腕固め、裸絞め、最後はその右腕でラリアットを決めた。

 昨年5月に全日本からフリーになり、G1から新日本へ。外敵として初の優勝を飾った。その後はIWGP王座も獲得。だが、今年に入って暗転。1月の東京ドーム大会で棚橋に敗れて王座転落。タイチ、TAKAみちのくを率いて戦ったが、5月に真壁との一騎打ちに敗れ、その場へ現れた鈴木に子分を奪われた。「あんなやつはフリーじゃない」と罵倒され、先月18日、札幌大会で一騎打ちに完敗した。

 翌19日、たった1人で前日の戦いを振り返り「今年に入ってから、よくないことばかり。だけど、G1に向けて頑張ります」と再起を誓った。その後の北海道、東北シリーズでリフレッシュしてG1連覇へ照準を合わせた。鈴木に狙われ続け、そしてフィニッシュのラリアットをぶち込んだ右腕。「おれの右腕は、おれひとりのものじゃない。KOしてきたレスラーの魂、応援してくれるファンの魂が入っている。この右腕がある限り、必ず優勝する」と連覇を誓った。【小谷野俊哉】