WBA世界ミニマム級王者の八重樫東(29=大橋)が「パッキャオの魂」を胸に、国内初の世界王座統一に挑む。20日に大阪・ボディメーカーコロシアムで行われるWBC同級王者・井岡一翔(23=井岡)との団体王座統一戦で、八重樫が6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)のTシャツを着て入場することが7日、分かった。プロデビュー当時から映像で技術を研究し続けている憧れの存在。日本王座奪取戦以降、同じシャツで入場して5連勝中と縁起がよく、大一番での着用を決めた。

 ボクシング史に名を刻む決戦でも、八重樫は自分らしい“演出”にこだわった。井岡陣営やファンの視線をくぎ付けにする試合前の入場。華やかな衣装に身を包むボクサーが多い中で、八重樫が選んだのは、ファイティングポーズを決めるパッキャオと「王者の魂」の英文がプリントされた真っ赤なTシャツだった。

 「ずっと目標にしてきたし、このシャツを着れば負けない。験担ぎです」。05年のプロデビュー当時、中継でパッキャオを見て衝撃を受けた。小柄ながら瞬発力に優れ、畳み掛けるように左右の強打を浴びせる。「自分が目指すスタイル。接近戦での攻防は、学ぶべき点が多い」という。今でも携帯電話に映像を保存し、時間を見つけては繰り返し分析。10年11月に長女志のぶちゃんが生まれた際も、彩夫人の出産を待つ間に分娩(ぶんべん)室前のソファで視聴していたほどだ。

 パッキャオのTシャツは、ネット通販で数千円で購入。グローブをはめていても脱ぎやすいよう、サイズはXLにした。09年6月の日本王座決定戦から着用し、昨年10月のWBA王座奪取まで5連勝中。八重樫は「試合以外では着ないので長持ちしてます。絶対に勝ちますよ」。ホワイトタイガーをイメージした豪華なガウンで入場予定の井岡に比べると地味だが、苦労を重ねた“雑草魂ボクサー”にふさわしい、必勝アイテムだ。【山下健二郎】

 ◆マニー・パッキャオ

 1978年12月17日、フィリピン生まれ。95年1月プロデビュー。98年12月にWBCフライ級王座獲得。01年6月にIBF(日本未公認)スーパーバンタム級王座、08年3月にWBCスーパーフェザー級王座、同6月に同ライト級王座を獲得し、アジア人初の4階級制覇。09年11月にWBO(日本未公認)ウエルター級王座獲得、10年11月にWBC世界スーパーウエルター級王座決定戦を制して史上2人目の6階級制覇。プロ通算54勝(38KO)3敗2分け。母国では下院議員。169センチの左ファイター。