新日本のG1クライマックス24は今日10日、埼玉・西武ドームで決勝戦が行われ、真夏の最強戦士が決定する。「キング・オブ・ストロングスタイル」中邑真輔(34)と「レインメーカー」オカダ・カズチカ(26)の対戦は、プロレスファンが今、一番見たいと思う「世紀の対決」だ。団体を背負う中邑と、これから背負うであろうオカダ。同じCHAOS同士の戦いが、新たな歴史をつくる。

 3万人収容の西武ドームに「イヤァオ!」の絶叫が響き渡るのか、レインメーカーが金の雨を降らせるのか。史上最大の舞台にふさわしい「世紀の対決」がついに実現した。

 2年前のG1で2人は初めて対戦した。新日本で棚橋とともにエースの看板を背負ってきた中邑と、同年1月に米国武者修行から帰ってきたばかりの24歳のオカダ。凱旋(がいせん)試合でいきなり棚橋のIWGPヘビー級王座挑戦を表明した際には、ファンからブーイングを浴び、そのレスリングも大ざっぱだった。しかし、2月に大方の予想を裏切り、棚橋からIWGP王座を奪取。凱旋から半年後のG1では、敗れはしたが中邑と好試合を演じた。そして、その勢いのまま、史上最年少でG1初制覇を達成している。

 中邑とオカダの経歴は対照的だ。青学大レスリング部主将で、在学中に総合格闘技団体で技術を磨いて鳴り物入りで新日本入りした中邑。一方のオカダは、中卒後に闘龍門に入団し、すぐにメキシコでプロレス修行。17歳でプロデビューし、海外でその将来性を認められ新日本入りした変わり種だ。今どき珍しい中卒からの就職についてオカダは「大卒の人よりオレの方が経験も積んでるし、早くに海外に行けたことで、何も劣っているとは思わない」と話している。

 小型化が進む日本のプロレス界にあって、190センチ前後の2人の対決は魅力だ。中邑のボマイェ(膝蹴り)、オカダのドロップキックと、プロレスでは誰もが使う技を必殺技に高めた技術も見ものだ。どちらが勝っても、新日本の新たな歴史が動きだす、空前絶後の戦いを見逃すな。【桝田朗】