奇手・居反りを得意とする宇良(22=木瀬)が序ノ口優勝を決めた。

 序二段88枚目の琴宮倉(17)を送り出しで破り7戦全勝。同じく全勝だった栄富士(22)が直後の取組で敗れる姿を見届け「信じられない。初めての場所で優勝できるなんて」と喜びを口にした。

 嗅覚がさえた。「(突っ込んで来る雰囲気を)感じましたね」と、立ち合いで中に潜ると素早く左にまわって送り出す。勢い余った相手は砂かぶりまで跳んだ。全勝の意識も少しだけ意識しつつも「むしろだんだん慣れていった感じ。1番1番、大切に取っていたので良かった」と安堵(あんど)した。

 当初の目標は5勝。「勝ちが続くと気が張って来る」と、学生時代にはない重圧を経験した。元学生横綱の大輝(22)を2番相撲で破ってからは「負けられない気持ちもあった。相手に失礼やなと」と、もう1つの重圧とも戦っていた。初めての本場所を終え「長かった。ここまでしんどいんだなと思った」。白星を積み重ね、最高の結果を手にした。

 期待された居反りは見られなかった。それでも「確かに得意な技ですけど…いつか出す場面がくるまで見守っていただけたら。今場所はなかったけど、大きくて力のある相手は掛けがいがある」と前向きだ。今後へ向けて「攻めの姿勢を忘れず、落ち着いて相撲が取れた。上に上がったら、どんどん押しで攻めたい」と抱負を語った。