先月20日に急死した、元横綱で日本相撲協会の北の湖前理事長(享年62、本名・小畑敏満)への叙位(従四位)と叙勲(旭日重光章)の伝達が21日、東京・霞ケ関の文科省で行われた。

 相撲界への長年にわたる多大な功績が評価され、18日の閣議で決まっていた。

 授与式には、故人のとみ子夫人と長男の佳史さん、次男の憲司さんと、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が出席。馳浩・文部科学大臣から勲章などが贈られた。角界では13年1月に死去した元横綱大鵬の納谷幸喜氏、05年5月に死去した元大関貴ノ花の花田満氏らが、位記や勲章を受けている。

 「おくやみとともに、おめでとうございます。落ち着いてきましたか」と気遣いの言葉をかける馳文科相に、とみ子夫人は「このたびは栄章をいただき、本当に感謝いたします。あっという間の1カ月でした」と答えた。式には故人の長男の佳史さん(34)、次男の憲司さん(31)も出席。「早く(結婚して)お母さんを安心させてくださいね」という大臣の言葉に、とみ子夫人は「(これまでずっと)看護で(故人に)付いてくれていました」と話した。

 その後の取材で「天国で理事長も授与の報告を聞かれましたかね」という問いに、とみ子夫人は「まだ親方も自分が亡くなったことも感じるかどうか分からないぐらい、急に逝ってしまいました。毎日朝、写真の手を合わせています」と語った。この日、自宅を出発する前には仏前に「『このような栄章を国民の皆さまからいただけるんですよ』と伝えました」と報告したという。