西前頭5枚目の宝富士(29=伊勢ケ浜)が、快進撃を見せる東前頭3枚目の遠藤(26=追手風)を寄り切った。

 のど輪で何度も体を起こされかけながら、これをこらえると、遠藤の右腕をたぐって、左四つに。同じ左四つ同士とはいえ、先に自分の形をつくったことで、力が出た。馬力を生かして寄り切り。「耐えて、最後は自分の形になれた。ああいう相撲が、自分の相撲なんですかね。我慢して我慢して、相撲を取らないと勝てない」と、忍びの一字で粘り勝った。

 5勝4敗と白星を先行させ、さらに懸賞10本(手取り30万円)も獲得した。これには「ヨッシャー!」と喜び「これは大きい。2カ月は暮らせる」とほくほく顔だった。