全勝同士の対戦で、関脇高安(27=田子ノ浦)が大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を、一気の出足でいっぺんに押し出した相撲内容に、協会関係者も驚きの様子だった。

 八角理事長(53=元横綱北勝海)は「高安は相手が大きいから余計に、思い切って行けたのだろう」と番付上位に挑んだ高安の胸中を読みつつ、照ノ富士の胸の内も察して言った。「はじき飛ばすような馬力に照ノ富士も驚いたと思う。イメージになかったろう」。さらに理事長自身も「照ノ富士がいっぺんに持って行かれるのは、予想できなかったし、記憶にもないね」と、高安の爆発的なパワーや、拍子抜けするほどのあっけない勝負に驚いた。

 また今場所から審判部副部長として審判を務め、この日初めて、幕内後半戦の審判長を務めた山科親方(元小結大錦)も「高安の当たりにはビックリした。あんなに(照ノ富士を)吹っ飛ばしていくとは思わなかった」と驚きの声。好調の要因を「部屋での横綱(稀勢の里)との稽古で自信になっているのではないか」と話した。