大相撲秋場所(12日初日、東京・両国国技館)を新横綱で迎える照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、17年春場所の稀勢の里に続く新横綱Vに向けて、緊張感を漂わせた。

初日を翌日に控えた11日、両国国技館で恒例の土俵祭りが行われた。新型コロナウイルスの感染対策で力士は参加しなかったが、照ノ富士はその後に行われた夏場所の優勝額贈呈式に出席。記念撮影でも笑顔は一切なく、厳しい表情を崩さなかった。

一人横綱として重圧がのし掛かる。先場所を全勝で制した横綱白鵬は、宮城野部屋に新型コロナウイルス感染者が出たため休場。報道陣の電話取材に応じた、協会ナンバー2の事業部長を務める尾車親方(元大関琴風)は「気負ったところがなければ、今場所もやってくれるんじゃないか」。1場所15日制が定着した49年夏場所以降5人目となる新横綱Vへ、期待は大きい。

照ノ富士は優勝額贈呈式を終えて、協会の公式ユーチューブチャンネルを通じ「皆さんにいい相撲を見せられるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。横綱として頑張っていきます」と意気込んだ。今場所の目玉として、責任を果たす15日間が始まる。【佐藤礼征】