SKE48兼SNH48宮沢佐江(25)が31日、名古屋のSKE48劇場で卒業公演に出演した。06年4月1日に大島優子らとAKB48の一員としてデビュー。海外グループや姉妹グループも経験し、ちょうど10年の節目にアイドルとしての活動を終えた。

 女性ファンが多い宮沢らしく、客席の半数近くが女性だった。黄色い声援を浴びた宮沢は「ありがとう~。気持ちいいぜ。今日は卒業公演らしいけど、実感がなくて困ってます」と、すがすがしい笑顔で言い切った。

 終盤の卒業セレモニーでは、14年の兼任開始から参加したチームSのオリジナル曲を、メンバーたちと披露した。AKB48時代の公演曲で、SKE48の一員として初めて歌った「RESET」を踊ると、客席からすすり泣きが聞こえた。「こうやって今ドレスを着て、ステージ真ん中で話させてもらっているけど、やっぱりまだ実感がない」。しばらくは実感が湧かない様子だったが、話すうちに涙声に変わっていった。「アイドルとしてやるべきことはやったと思うし、悔いは1つもありません。だけど、SKEのメンバーと離ればなれになってしまうのが、すごく寂しいです。私は2年前の今のチームSに来た時に『すごいチームになります。してみせます』って言いました。すごいチームになったでしょう?」。ファンから拍手を受けると泣き顔が笑顔に変わった。

 今後は女優として活動し、8月にはミュージカル「王家の紋章」に主演する。「これからいろんなことがあると思うけど、みんなと1歩ずつ前に進みたいし、みんなに背中を押してもらいたい。今、応援してくださっている皆さんがずっといてくれたら、別に(ファンが)増えなくていいやって思えるくらい、皆さんを信じているし、愛しています」と、10年で築き上げたファンとの絆の強さを強調した。

 最後のあいさつを終えると、宮沢は「SKE48劇場で卒業できて、私は幸せです。ありがとうございました」と、笑顔で手を振り、ステージを後にした。