女優小雪(31)が森田芳光監督(58)の新作映画「わたし出すわ」に主演することが27日、分かった。「お金の使い方」を題材にさまざまな人間性を描き出す作品。同監督と小雪は初コンビ。同監督は黒木瞳(48)鈴木京香(40)ら起用した女優の新境地を引き出す演出に定評があり、小雪の新たな一面が期待されそうだ。

 同映画は、突然帰郷した女性が高校の時の同級生たちと再会後、その夢や希望の実現のために次々と大金を渡していくところから始まる。金の使い方を通して人間性を浮き彫りにする一方、ばく大な財産の出どころ、お金を渡す意図など、多くのナゾを抱えるヒロインの生きざまを追っていく。

 「失楽園」などベストセラーの映画化や名作「椿三十郎」のリメークなど多く話題作を発表してきた同監督にとって、96年「(ハル)」以来、12年ぶりのオリジナル作品。同監督は同窓会で金にまつわる話を聞く機会があった約5年前から構想。「お金の使い方が不条理に感じられる今だからこそ、必要な話だと思った」と映画化に着手した。

 小雪についてはCMなどの印象から「経済のことが分かるイメージがあった」という。さらに「キャリアウーマンの雰囲気と人に対する優しさを兼ね備えている。自立した女性たちから共感を得られると思った」と起用理由を説明した。小雪は同監督について「独自の世界観と不思議な魅力をお持ちの方なので本当に楽しみ。分からないことを模索していける作品になりそう」。共演は黒谷友香(32)小池栄子(28)仲村トオル(43)ら。アスミック・エース配給で来年公開。