大みそかのNHK紅白歌合戦に、演歌歌手の小林幸子(61)が4年ぶりに復帰することが19日、分かった。紅組歌手としてか、企画コーナーでの出場かは流動的だが、小林の豪華衣装は紅白の風物詩だっただけに、出場が決まれば、番組の目玉の1つとなりそうだ。すでに同局関係者が小林サイドとは接触しているもようだ。小林にとっても紅白復帰は悲願であり、快諾する見込みだ。

 大みそかのNHKホールに、豪華衣装の幸子が帰ってくる。2011年まで33回連続で出場し、85年に豪勢な十二単(ひとえ)で出場してからは、毎年、出場歌手の中で一番ド派手な衣装にこだわって、視聴者を楽しませてきた。やがて、衣装を越えた巨大なセット、舞台装置と呼べるようなものを用意するようになり、92年は推定4億円、約6万2500個の電飾衣装だったが、本番で半分以上が点灯しないハプニングを起こすなど、何かと話題を作ってきていた。白組の常連だった美川憲一(69)との「豪華衣装対決」は、紅白のお決まりだった。

 しかし、10年に美川が落選。11年末に実業家と結婚し、翌12年には長年連れ添った個人事務所社長らとケンカ別れしたことで、レコード会社日本コロムビアとも契約解除。トラブルイメージから紅白に落選した。

 その後はインディーズで活動し、13年大みそかにインターネット動画のニコニコ生放送に「ラスボス小林幸子」として登場。14年にデビュー50周年として日本武道館で初ライブ、今年4月はプロレス参戦したりと幅広く活動。ニコニコ動画ユーザーを中心とした若年層ファンから「ラスボス」として面白がられるようになった。

 世代交代で落選させた小林を復帰させるのは、NHKとしては異例だが、苦しい台所事情がある。今年は音楽界全体としてヒット曲、流行曲もない年だった。その上で目玉の大物歌手、サプライズ歌手の交渉も難航中。話題性で小林に頼りたい思惑もあった。

 小林の出方は、紅組歌手としての出場か、企画コーナーでの復帰かは流動的だが、豪華衣装での出場は確実だ。紅組と白組としての出場歌手の発表は、来週26日に予定されている。