「子連れ狼」などの作品で知られる漫画原作者の小池一夫氏(79)が、岡山市で発生した中学1年女子生徒の誘拐事件で、被害に遭った女子生徒を非難してバッシングを受けていた件について謝罪した。

 小池氏は、女子生徒が容疑者と出会い系サイトを通じて知り合ったとの報道を受け、21日にツイッターで「今日も中1の女の子を連れ去ったと、ばかな男が捕まっていたけど、きっかけはネットの出会い系サイトなのよ」と言及。「中1で男が欲しかったのか、お金が欲しかったのか分からないけど、中1で出会い系サイトで男と知り合う女の子は、もう女の子じゃない。女。しかも、倫理観も貞操観念もない女」と被害に遭った女子生徒を非難していた。

 この発言に多くの批判が寄せられ、たちまち炎上。小池氏は23日にブログを更新し、「女の子はあくまで女の子であり、僕を含め『子どもは社会が守る』ことが前提であるという意識が欠落していたことです」と反省。

 家出少女を“食いモノ”にしようとする男が数多く存在していることを示す実験の結果をあげて、「僕はそんな男たちの一人ではないという意識が、僕を傲慢(ごうまん)にさせたのでしょう。僕は、13歳の女の子の落ち度を責めるよりも、加害者の男や、予備軍の男たちを断罪すべきでした」とつづった。

 被害生徒について「限界を超えるような生活状況だったかもしれないし、思春期特有の自由になってみたいという憧れだったのかもしれませんが、前者だった可能性は大いにあり得ます」と考えを改めた小池氏。自身の発言を「被害に遭った女の子に『自らどういう場所かわかっていただろう』と責めるのは、当事者ではない僕ではなく、その子の親や、警察が注意指導すべきことです。僕がツイッターで責めるべきことではありませんでした」とし、「謝るべきことです。ごめんなさい」と謝罪した。

 ただ、女子生徒が出会い系サイトを利用していたことについては「何があっても、女子中学生や女子高生は『出会い系サイト』等にアクセスするべきではない」とし、「被害に遭ってからでは遅いのです。子どもを狙う男たちは、時にやさしく、言葉巧みに子どもに近づきます。現実に、簡単にそういうサイトにアクセスできる世の中である以上、男の餌食にならないように、よほど気を付けなくてはいけないと強く思います」と呼びかけた。