脳腫瘍の疑いで入院中の松方弘樹(73)の病名が「脳リンパ腫」であることが2日、分かった。所属事務所が公表した。先月13日から検査のため入院し、同23日に脳腫瘍の疑いがあるため長期療養に入ると公表していた。精密検査の結果、担当医から確定診断が「脳リンパ腫」となったと伝えられた。関係者によると悪性のリンパ腫だという。

 所属事務所は今後について「完全復帰を目指し、治療と療養に専念させていただきたく存じます」と長期療養となることをあらためて表明した。さらに「松方本人も、皆様方からいただいております心温まる激励を糧に、1日も早く病を乗り越え、元気な姿をご報告出来るようにと、闘病生活への意気込みを語っております」としている。

 治療は手術ではなく、内視鏡で脳から細胞を採取した「生検」の傷口がふさがるのを待ち、来週から投薬を始める。担当医からは「脳にリンパ腫ができる症例は少ないが、投薬で100%治癒する可能性もある」と説明を受けたという。投薬を続け、効果を見ながら薬を変えるなどして次の段階に入るという。治療と療養は半年を要する見込みで復帰は早くとも今秋になる。松方は、病名報告も冷静に受け止め、闘病に意欲を見せているという。

 ◆脳リンパ腫 中枢神経系にできる悪性のリンパ腫で、血液細胞の1つのリンパ球が腫瘍化したもの。悪性リンパ腫の中でも発症率が低く、10万人に1人のまれな病気とされる。発症は60歳前後の高齢者がもっとも多く、増加傾向にあるという。脳にあるため、リンパ腫を切り取る手術はほとんど行われず、抗がん剤投与などの投薬治療が一般的。症状としては手足のまひや感覚障害、おう吐などがあり、進行も早いという。