12日に死去した演出家蜷川幸雄さん(享年80)の通夜と葬儀・告別式で祭壇に飾られる遺影は、長女の写真家蜷川実花さん(43)の撮影した写真が使われることが14日、分かった。

 世界的な演出家だった蜷川さんの肖像写真は数多くの著名なカメラマンが撮影し、国内外の雑誌や新聞などに掲載され、蜷川さんが気に入っていた写真もあった。しかし15日に東京・青山斎場で行われる通夜、16日の葬儀・告別式の遺影は実花さんが撮影した写真に決まった。写真家としてデビュー以来、父の写真をたびたび撮っているが、遺影として使う写真は、昨年あらためて撮ったもの。幾多の病気と闘いながら半世紀にわたって演劇に立ち向かい、車いすに座って鼻に酸素吸入器のチューブを着けて演出を続けた、歴史を刻んだ最晩年の姿という。