「恋のバカンス」や「恋のフーガ」などのヒット曲で知られる双子デュオ、ザ・ピーナッツの妹、伊藤ユミ(いとう・ゆみ)さん(本名・伊藤月子)が5月18日に亡くなっていたことが11日、分かった。75歳だった。

 死因などは親族の意向で公表されていないが、病気療養中だったという。葬儀・告別式、四十九日の法要も近親者のみですでに執り行われており、お別れの会などの予定もないという。

 伊藤さんは、愛知県出身で、2012年6月に亡くなった一卵性双生児の姉エミさん(享年71歳)と「伊藤シスターズ」で活動していたところを、渡辺プロダクションの故渡辺晋社長にスカウトされ、1959年に「可愛い花」でデビュー。テレビ創生期だった61年、日本テレビ系の音楽バラエティー番組「シャボン玉ホリデー」の司会に起用され、一躍、人気デュオとなった。

 ヒット曲は「恋の-」以外に、「キサス・キサス」「ふりむかないで」「ウナ・セラ・ディ東京」など多数あり、さまざまなアーティストにカバーされている。当時あまりなかったアメリカ公演を行うなど、歌謡曲を世界に広めた功績は多大だった。61年から製作が始まった怪獣映画「モスラ」で、姉妹で妖精の小美人を演じ、モスラを呼ぶ「モスラの歌」も大ヒットした。